化けて出てきてあげるやさしさ使者の姿をした死者
普段通りアジト内で仕事をしていたら、壁から声が聞こえた。幻聴だろうと思って無視していたら、壁から突然手が生えてきたのが見えた。は?
「よ!」
「うわ?!」
驚いて尻もちをついてしまった。けっこう痛い。壁の手はそのままどんどん伸びていき、全身が出てきた。よく見る面倒くさいやつ、宮前だった。しかもなんか羽のようなものを生やして頭上に輪っかを浮かべていた。そう、例えば天使みたいな。何故? どうして壁から生えてきた? ついに人間をやめたのか。
「やぁ^^」
「は……?」
「なんかね、死んだわ」
「は??」
こいつはいきなり何を言い出すんだ。もうわけがわからない。死んだから壁を貫通できるし天使にもなるのか。どういうことだ?
「死んでポケモンになったら~~って言っといてあれなんだけどさ、ポケモンにはなれなかったし成仏もできなくて困ってるんだわ」
「一体どういう風の吹き回しで、というか普通に言葉を交わせているだろ」
「なんか誰にも見えてないみたいでね。これが透明人間の気持ちか~って」
そう言いながら宮前は机に触れようとして通り抜けた。宇宙誕生の確率……トンネル効果……
「はぁ」
「あっ信じてないな?言っとくけど今の君、よそから見たら独り言がすごい人だからね」
「へぇ」
「う~ん。まぁとりあえずご遺体の眠る場所に連れてってあげよっか」
「暇じゃないんですけど」
「暇にさせるためにバトルしたいところなんだけどね、さっきはぐれちゃって」
「は?」
「ゴーストタイプには私のこと見えてるみたいでね、一緒に行動してたんだけど君を見つけてつい走り出したらはぐれちゃった」
「ポケモンを撒くなよ」
「あはは」
「はぁ……」
なんだかんだで一緒に来てくれるアルロやさしいね
シャンデラ・フワライド・バケッチャと合流
「はいこれ新鮮な死体」
「は……」
(ショッキングな映像)
(嘔吐)
「こりゃあまたド派手な」
おまえの死体のほうがド派手である なんてったって顔の皮膚は剥がれはらわたは食い散らかされ……クマ被害?
「なんか成仏できないんだよね」
「なぜ」
「わがんね。わかるまで君に憑り付くね」
「は?」
ただの死者
ある朝起きたら羽と足を無くしたあいつがいた。
「は……羽が……足が……」
「悪行でもしたんですか」
「してないよ!ってか私って天使じゃなかったんだ」
「めっちゃ幽霊っぽくない?」
「死に装束があれば完璧ですね」
「あれって死後〜納棺より前に着せてもらうやつだから納棺どころかお通夜すらしてもらってない私は着られないんだよな」
「それは残念でしたね」
「まぁあのまませめて骨になるまでは放置してほしいかも。遺体の状態悪いし」
「……」
「思い出し吐き気?すまんの」
「あっ見て、頑張れば物に触れる」
「うわほんとだ、ポルターガイストじゃないですか」
「まぁそれはそうだけれども」
「おまえ……何処に行ったのかと思ったらこんなところにいたのか」
「シロツメクサが咲いてたんでね、花冠作ってた」
「子供か?」
「ほら、アルロくんかがんでよ」
「なぜ」
「私の頭の輪っかとオソロだよ」
「いりません」
「えー」
「まぁ浮かべるんてすけどね」
「うわ、羽をなくしたら飛べるようになるなんてひどい皮肉だな」
「ド失礼だな、前から飛べはしたんだよ。ただ足があるのに浮くのもな〜って思ってただけで」
「公序良俗に反しそうな服装してますしね」
「生足なだけだが?!?!」
「それが目のやり場に困るって言ってるんだよ」
「大変だね」
「他人事……」
未練たらたら
「目に光がない」
「えっ嘘、鏡見よ」
「おまえもう鏡に写らないだろ」
「あっ忘れてた」
「気持ち世界が憎く見えるとか無いんですかそれ」
「無いよ別に」
「ふーん……」
「生きてて良いなとは思う」
「それは死んだ瞬間からそうだったろ」
「そうかも」
「いよいよ持って自由に飛び交うようになったな……」
「羽虫みたいに言わないでよ!これなら楽に電球交換できるんだぞ舐めるなよ」
「なんとも言えないな……」
アルロの家を出入りすることについてはなんの支障もない 部屋の主であるアルロ本人が宮前のことを受け入れているから 公共的な場所やアルロの家を除いて自由な出入りが難しくなってくる 神社とかは完全に立ち入り不可 実は墓地も不可
悪霊
もう道連れにすることしか考えられない 訳では無いが、宮前としての遺志と悪霊としての本能が完全に拮抗している 最終的にアルロん家のリビングから出られなくなる(家主がそうあれと思うから)
もうここから動くな?何処にもいかないで?外にまでついてこないでほしい?睡眠妨害をやめてほしい?いろんな考えがぐしゃぐしゃになって縛り付けられるみたいなもんかな
好きな子に天使の羽が生えてたら削ぎ落としてやりたくなるよなぁ?!?!
ロ宮、お互いに不干渉をモットーにしたいって思ってるのに、相手の人生に自分がいないかもしれないと思うとすんごく腹立つし虚しいしで結局口出しちゃうような関係
でも多分成功する世界線が無い
Q.[タヒ]者(使者)宮前、なして裸足なん?いつものレギンス的なあれは?
A.宮前の死因はクマ(仮)被害じゃない([タヒ]後食い荒らされた)・宮前の[タヒ]体もレギンス的なあれを履いていない・何者かに襲われた痕跡がある・不同意[忄生]交等致[タヒ]傷罪……まぁ私から言えることはこれだけですかね…… あっあとロくんは宮が[タヒ]んだことマジで知らなかったよ
使者の姿の死者、羽があるのに裸足で地面をぺたぺた歩く
物理的干渉が一切できないのでたまに地面にめり込む 物理演算無視存在
成仏したくて困ってる 本当はアルロにも迷惑かけたくなくてひとりでなんとかしたかった
ただの死者になると羽と足が見えなくなる 見えないだけで本人は立ってるつもりらしい、たまにちゃんと浮く
ちょっとした物理的干渉ができるようになる
とは言っても肩を叩いたり服の裾を掴んだりする程度
未練たらたらだと結構色々できる 電球交換とか ただし目が死んでる
許可なしに境界を跨げないことがある 物貫通できなくなることが多くなる 人外ルールと物理演算に縛られ始める
宮前の未練というよりは人間の生存本能が遺した未練かなぁという感覚
悪霊 生前最期の姿 もう何が何でも道連れにしたい 憑き殺す気満々
駅のホーム、橋上、歩道、階段の上、etc…… とにかく色んなところで落とそう殺そうとしてくる
許可なしに境界は跨げないし扉も開けられない、壁を通り抜けることすらできないけど枕元に立って夜な夜な金縛りしたり悪夢見せたりはできる
Q.扉問答しないんですか?!?!
A.本人が直接殺す能力はない 突き飛ばしたりなんだりしないと殺せない だからわざわざ扉問答して開けさせたところでって話よな 別にあの世へ連れていけるわけじゃないし
生前の本人の意志よりも“霊”としての本能のほうが強い
未練たらたら宮前がなんか生前は言わなかったであろう発言をして、憔悴しきったアルロが「……言わないだろ、そんなこと」って言う話
死者意識が強くなっちゃった宮前だから……死者との思い出は美化される、というせいもあると思われるけれど、それにしたって言わなさそうなこと言うんだろうな 死んでるから
悪霊宮前、最終的にロの家(アパートの一室)のリビングから出られなくなる 寝室じゃない、リビング 寝室にすら入れない宮前
取り憑き元のロが「この部屋から出るな」と言ったから出られなくなった 「ここから出るな」だったらロの家が範囲内だったので、ロは運が良い 宮前の霊障に悩まされなくなるので(言われるまではよく枕元に立っておちょくってた)
過去のメモ見返すと、未練たらたらの時点でこうかも 最初はロの家までが範囲だったのかも はじめの頃はお出迎えできてたのに“約束事”が増えてからはリビングにいるしかできない 監禁されてるのと変わらない ロはリビングに居るときだけ希死念慮から逃れたらいいので、そのうちリビングから危ないものはどんどん無くなる
机の角はカバーが付けられるし、部屋にある扉は元々スライド式だし、皿やカトラリーなどは全部プラスチック製や紙製になるし、ベランダへの扉の鍵はワイヤーとかいろいろなもので厳重に閉められる コードが必要なものはほとんどない でもエアコンと壁とか天井とかにつける送風機、あとテレビはある どれもコードはわざと短いものにしている
これら全部ロ本人が自殺しないために、自分のために決めたものなんだよな 監禁してる宮前は死んでるからネ、むしろ宮前のせいで死にたくなるからネ……
ロが死にたくなってまず宮前の首を絞めようとするんだけど、宮前は死んでるのでなんともならない 悪霊宮前になると薄めの実体を持つので触ることが可能になるけど、殺せない
宮前もロのことを直接は殺せない(たぶん取り憑き元だから、あと未練たらたら以前の宮前はロを殺したくなかった)から、互いの首を絞めようとしたってどうにもならない
ロの手持ち、ヘルガーいたときあったよね?
宮前がいるせいでロの部屋にゴーストタイプが集まりがちなのでヘルガーが追い払ってるところ見たい あと宮前がヘルガーに怒られてるところ見たい 宮前、いぬ系が少しだけ苦手 小さい頃追い回されたことがある 普段(このシリーズに関わらず)はそんな素振り絶対見せないし、人懐っこいいぬ系ポケなら撫で回したりもするけど、吠えられるとどうにも怖気付いちゃう
でもこっそり住み着いたミミッキュには強く出られないヘルガー お互い等倍だからネ、ミミッキュはロがいるとき絶対顔出さないから黙認してるのかも 宮前もずっとひとりになっちゃうからね