最初は幻聴だろうと思った。つい先日までそこにいた人間の気配がする、という勘違いなんてよくあることだから。けれど、違った。幻聴でも勘違いでも気の所為でもなく、遺影の中の主は、こちらに手を振っていた。慌てて他の男士に確認を取るも、どうやらこのあるじは幻覚ではないようで、件の男士はその場に泣き崩れてしまった。遺影の中の主は、彼を心配している。

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