夜の静寂を切り裂いて戦いは終わった。
長い長い一日だったと、ピッコロは思う。地面は深くえぐれ、レッドリボン軍の基地は跡形もなく消え失せていた。視線を横に移せば、悟飯が娘のパンと無邪気にじゃれ合っている。
「じゃあね、バイバイ、気をつけてね」と、あちこちから声が飛ぶ。
「ピッコロさん、少し話したいことがあるので、夜にそちらへ行きますね」
「なんだ、今言えばいいだろう」
「今じゃどうしてもダメなんです。二人きりじゃないと」
「お前がいいならそれでいいが……今日は休んだらどうだ?」
「大丈夫ですよ、ボクは。ピッコロさんは大丈夫ですか?」
悟飯のその問いかけに、ピッコロは「ああ」と曖昧に返事をした。
「よろしくお願いしますよー!」と手を振る悟飯に、それを真似るパンが並ぶ。ピッコロは笑みをこぼしながら、ゆっくりと手を振り返した。
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