部屋とワイシャツと「あ、れ……まだ起きてたのか……?」
目をまんまるに見開いて、父さんが僕を見てる。仕事の後だから当たり前に制服の父さんが、リビングのドアに手をかけたまま僕を見ている。
今は1:30を過ぎていて、日付も土曜から日曜に変わっていた。すっかり街も寝静まってしまっている時間で、階下もとっくに静かになっている。
いつもならば家に帰るとすぐにシャワーを浴びてしまうはずの父さんが、こうしてリビングのドアを開けたのは消えているはずの明かりがついていたから。何かあったのかと慌ててしまったのだろう。目だけでなく口までぽかんと空いている。
「お仕事お疲れ様、父さん」
「あ、あぁ……まだ寝てなかったのか……」
「うん、眠れなくてさ。コーヒーでも飲もうかなって。父さんのも淹れるね」
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