Light Never Goes Out -2-厚い雲が垂れ込めた空が、うっすらと地響きのような音を放っている。
宿を出た二人は二手に分かれ、住人達や酒場の客から情報を集めて合流をすることにしていた。テッドが待ち合わせの三叉路へ着くと、ウェドが道の端にしゃがみ込んで何かを調べている。
「ウェド、おまたせ。何かあったの?」
「ああ、ちょっとね。まずお互いの得た情報を共有しよう」
振り返ったウェドの表情は、いつもより険しい。調べていたのはどうやら何かの植物のようだった。
「造船廠では五日前、確かに東方の船から犬を連れたアウラ族の女性が下船したのが目撃されている。積荷の木材を造船廠の担当者に受け渡す役目を負っていたようだが、初日に取引を終えて以来姿を見かけていないそうだ。おそらく材木商のフリをしながら、麻薬の出所を探っていたんだろう。そして彼女は…酒場でこれに気がついた」
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