いつか思い出になる日の為に。済んだ空気に、星の綺麗な日。
いつもと変わらない夜。
でも少し、何かが違う夜。
***
12月に入って急に寒くなった。
はぐたんを寝かし付けて、ハリーは再びビューティハリーに戻る。
ーー輝木ほまれは、
ハリーのことが大好きです。
面と向かってほまれに、そんなことを言われるとは思わなかった。
ほまれは強い。
きっとこの失恋からも立ち直って、俺なんかより素敵な相手を見つけることが出来るはず。
コーヒーでも飲もうとやかんに手をかけた時、ドアの方から音がした。
こんこんっと扉を叩く音。
「ねーずみっ!遊びに来てやったぜっ」
気を使ってなのか小さい声が聞こえる。
でも、いつものテンションのそれに、思わず笑みがこぼれた。
「ネズミちゃうわ。ハリハムハリーさんや!」
2472