アベンチュリン・タクティックス ルート1 第4話:本音を飲み込んで 文化祭準備が始まってから数日後のこと。今日は特に文化祭の準備はなく、アベンチュリンも用事があるため、即座に帰るつもりでいた星。
「練習?」
「うん、そう!」
授業を終えた放課後、大量の参考書が入った重いバックを持って静かに教室を出ようとした星に、出し物リーダーの女の子が呼び止めた。
「カフェと言っても、普通のカフェじゃないでしょ? 相手に喜んでもらえるような接待が必要だと思うの! だから、ホストになる子たちは全員接客の練習をしてもらおうと思って!」
「なるほど……」
男装ホストとして出動する予定の星だが、バイト経験のない彼女に接客スキルはもちろんない。外見はいいとはいえ、何もせずお客を相手にすれば、怒って帰るか、ドン引きして帰ってしまうかのどちらかだろう。
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