DC直後のれめしし 会場の外に出ると、空はすっかり暗くなっていた。冬の気配をはらんだ冷たい風を吸うたびに、毒で散々痛めつけられたオレの内臓が悲鳴をあげる。それは隣の男も同じようで、デカい体を丸めて「痛い」と苦痛に顔を歪めていた。
勝負には負けたというのに、オレの心は解放感に満ち溢れていた。今回の勝負で、悩み迷った道の先には光り輝く希望があることを知った。向かうべき道が分からず彷徨っていた足が道を誤ることはもうないだろう。
「腹減ったなー。ハンバーガー食べ行こうよ」
「二時間は飲食禁止って言われたばっかだろうが」
「えー、敬一君真面目すぎ。あんなに毒浴びて血吐いたんだからハンバーガー食べたところで今更何も痛くないって」
「オレはオメーの胃に同情するよ」
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