モブ⚰️(冒頭のみ)1
道を誤ったと気づいた時には遅かった。コレルを根城にしているバグラー達にとって、砂漠の地は彼らの庭も同然だった。
ヴィンセント達は夜道を駆け、交戦し、退却を試みては追いつかれ、また交戦を繰り返す。富裕層でもない一行が、こうも執拗に付け狙われる理由はひとつしかない。
「逃がすな! 貴重な賞金首だ!」
「古代種は殺すなよ、50万ギルだぞ!」
バグラーが揚々と叫んだ。悪趣味な改造を施されたバイクがけたたましい音を立てて行く手を阻む。背後には戦車のようなモービルが迫っていた。彼らは本気だ。
「くそっ、相手してやろうじゃねえか!」
「も、もうムリ! アイテム使いきっちゃった!」
「魔法も使えないよ……!」
進み出るバレットに、ユフィとレッドXIIIがしがみついた。自慢のガトリングガンにほとんど弾が残っていないことを全員が気づいている。先の連戦でポーションも、魔力も尽きた。
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