魔獣の花嫁 #4「内緒話」 シェゾと握手を交わすと、彼はさっさと詳細を聞かせるとばかりに狭いテント内にドカリと腰を下ろした。若さ故なのか、俺の寝首を掻こうとしていたのに切り替えは早いようだ。まぁ、確かに印書も四つ端が崩れて無くなっている。手を組むと約束は取り付けたは良いが、まだ肝心の中身を話していないのだからここからはサクサク進めたい。その方が助かるというものだ。
しかしずっと待て状態だったからか、結局シェゾが先に口を開いた。本題の魔獣について。
「四年前、東のリムブルムで魔獣が目撃された」
「それなら知ってるよ。噂では騎士団が壊滅させられたそうだな」
「魔獣と戦ったのは第五騎士団。俺はかつてそこに所属していた」
「…生き残りがいたのか⁉︎ じゃあ噂は本当だったんだな」
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