じゃばをっく。玄関に女物の靴
二階から女の嬌声
またか・・・
父親が愛人と降りてくる。
涼介、かえってたのか おかえり
…ただいま
愛人を残してシャワーに(23歳のなつきちゃんをイメージ)
涼介さん父親のタバコを吸う
あ~こどもなのにいけないんだぁ
タバコをとられる。
そのまま吸い出す。
売女のくせにうるせえんだよ…
新しくタバコを出す。
え〜なかよくしよーよ
もしかしたらなつきが新しいお母さんになるかもしれないんだよ♡
あんた医者?と聞く🌹さん
違うけど
じゃあ医学生?東大生?
ちがうよぉ
じゃあ目指しなよ、親父は賢い女としか結婚しない
え~無理だよ、なつき、りょーすけくんみたいにかしこくないんだよぅ
できるだろ!親父のことが好きなら(急に怒鳴る)
そうじゃなきゃ捨てられる!あんたも!俺だって・・・
…なつき、パパに捨てられても平気だよ、だってほかに好きな人いるもん
は?
ほんとはね、その人にお金あげるためにパパとあってるんだぁ
りょーすけくんもほかに好きな人作りなよそしたらすてられちゃってもへーきだよ
…あんたじきにそいつにもすてられるぞ
・・・へーき!だってなつき、すぐ人を好きになれるから。またみつけるよ。
…なつきは捨てられちゃうかもしれないけど、涼介くんは捨てられたりしないと思うよ。
じゃあね、今度は涼介くんがいないときにに来るから
なんで売女に慰められなきゃいけないんだ…
なつきちゃん帰る
父親がシャワーから上がってくる
なつきは
かえった
そうか
…それ外では吸うなよ
親父こそ、母さんにバレたらやばいんじゃないの、それ
おまえが黙っていいてくれればいいだけのことだ。それにあいつは研究にしか興味がない。俺が家でどうしているかなんて気にもとめてないだろう
そうだ、涼介、ことしの誕生日プレゼント何がいい いつものレストランも予約してある。
母さんもひきずってでも絶対連れていく。啓介にも言っといてくれ。
車と、免許。マツダのRX-7がほしい。
あのまるいのか?
ううんFC、親父が前乗ってたやつ
ふっ
わかった、手配しておく。
ほんと?やった!
ふっとわらって
ありがとう パパ♡
・・・
別日
また別の愛人を連れ込む父親
雨、辛くなって裸足で外に飛び出す涼介さん
途中拓海くんの運転するトレノが行き過ぎる。文太さんのお見舞いの帰り。
あんた、だいじょうぶかぁ?
あれっ、涼介
拓海くんの家
それで坊っちゃんなんでまたこんな雨の中裸足で?
拓海くん涼介さんのタオルであたまをわしゃわしやする
…そういう気分だったから
ほー・・・
賢い人のことはわかんないなぁ。
もう遅いし泊まっていきなよ、夕飯は?なつきに頼んでごちそう作ってもらうか。
なつき?
あぁ、一緒に暮らしてる…彼女。もうすぐしごとからかえってくるだろ
脅かされているようなかおをする涼介さん
あれえ?涼介くん、いらっしゃい、
キッチンで物音
藤原さん、あのひと、やめといたほうがいいですよ…
なんで?
親父さんにお金もらって、セックスしてるから?(タバコ吸う)
知ってるよ
親父が お前んちの病院入れたの あいつの紹介のおかげだから
父からは、車の知り合いだったって聞いてましたけど。
俺はそれ、知らなかった。
今の仕事は時間の融通がきくけど、その分給料も少ないんだ。
入院費、治療費、…制度でいくらかマシだけど、それでもやっていけない。
そりゃ…嫌だけどさ…でもおれ、正直あてにしてる…
俺に甲斐性があればよかったんだけど…
藤原さんってどこで働いてるんですか?
親父の知り合いのガソリンスタンド、良くしてもらってるよ。
・・・今度車買ってもらうんです、遊びに行きますね
あ、涼介
こんにちは
制服似合いますね
そんな事初めて言われたけど
藤原さん、お金儲けしませんか。
はぁ?
いいこと思いついたんです、このあと時間いいですか?
…そうだ、これ使わせてください
帽子をひょいと取り上げる
・・・帽子屋でもするのか・・・・?
・・・え?
涼介さんはははとおおげさに笑う
拓海くんの家
それで、金儲けって、
挑戦者を募って秋名でレースをするんです、
それも、ただのレースじゃない、挑戦者以外が勝敗をかける賭博です。あなたに勝てれば挑戦者にも賞金を出す。
…それって違法だろ、大体賞金なんてどこから
もしあなたが負ければ俺が出しますよ、
藤原さんのファイトマネーはプールからだします。うまく行けば一ヶ月の生活費が”一晩”で稼げます
だから死ぬ気で勝ってくださいね。
挑戦者は掲示板で募りました、秋名のハチロクの噂を流したら、続々と名乗りを上げましたよ、走り屋はそういうの好きですからね。
あなたは挑戦者の後追いではしる、それを振り切れば挑戦者の勝ち、振り切れなければまけ
藤原さん
あなたはミラーに映り続ける怪物だ
病室、高橋父が入ってくる
藤原、調子はどうだ
(呼吸器)いいように見えるかぁ?
みえないな・・・
・・・しかしあんた、全然かわらないなぁ
おまえは老けた。
苦労したんだよ
俺の下にいれば、そんな苦労させなかったのに
ふん、ちがうな、もっと早く死んでる
藤原さん、これ今日の分です。
ガソリンスタンドの帽子に入ったお金を帽子ごと渡す。
…
おまえさ、ほんとにこんなことしてていいわけ?バレたら退学、大学も行けないんじゃないか・・・?
そのときは藤原さんに養ってもらいます。そしたら一緒に豆腐屋やりましょうよ。俺、作り方覚えますから。
あれは親父の店だぞ…
いいじゃないですか、夢くらい語ったって。
それにね、医者だってこれよりずっと悪いことをするんだから。賭博なんてかわいいもんですよ。
ただいま~
涼介さん帰宅
玄関に拓海くんの靴
藤原さん来てるんだ!
嬉しくなって靴を脱ぎ散らかしてリビングの来客用のスペースまで行くが誰もいない。
二階から物音
嫌な予感がする。
雨、制服の上からレインコートを着た涼介さんが走る
病室につくと血の気のない表情の拓海くんと白衣の高橋父
藤原さん!
高橋父が死亡時刻を告げる
涼介、おまえは外に出ていなさい。ここは患者様の部屋だよ
お葬式、困ったことがあったらいつでも頼りなさいと拓海くんの腰を抱く高橋父
涼介さんそれを睨む
しばらくして拓海くんの家に様子を見に行く涼介さん
ごめん涼介、おまえと稼いだお金、全部なくなっちゃった。
なあ、涼介、おれさぁ、親父の葬式代稼ぐためにあんなに頑張ってたのかなぁ
おれさ、この街出るよ。ここにいたら、辛いから。
これ、車の鍵、おまえにやるよ。親父も、おまえなら良いっていう。
おまえとももう会わないよ。
豆腐屋の前を通りかかる涼介さん
売出中になっている
あのさ、親父、頼みがあるんだけど。
数年後、拓海くんが豆腐屋の前に通りかかる
そのまま豆腐屋やってるんだ
ごめんくださーい
いらっしゃい、なににしましょう
いや、買いに来たわけじゃなくて、以前ここに住んでたものなんですけど・・・
ああ、そうですか。よかったら上がっていってください。家具とかもそのままですから。
ほんとにそのままだ・・・
私は雇われでここに住んでるんですけどね、それでたまに坊っちゃんが配達してくれるんですよ。横に古いトレノがおいてあったでしょう。わざわざあれでね。自分もかっこいい車もってるのにねぇ。あ、豆腐の匂いがついちゃうからかなぁ。
そうなんですか、その坊っちゃんてどんな人ですか。
そうですね、ぜひあっていただきたいので、もうちょっとゆっくりしていってくださいな。大したお構いはできませんが。
今電話しますね。
藤原さん!
靴を脱ぎ散らかして居間まで走ってくる涼介さん
拓海くんを見つけるやいなや抱きしめる
涼介、なんだ、おまえか
おれさ、あのあと親父の知り合いに会いに行って、成り行きでイギリスに行くことになったんだよ。そしたらラリーストになってた。
はい…
ビザも切れるし日本に帰ってきたんだ、帰る場所なんて無いと思ってたんだけど
涼介はいま社会人か?まだ学生か。医学部は6年なんだっけ
はい…
大きくなったよな~おまえ
身長変わってません…
うそぉこんなデカかったか?
藤原さんは行く宛あるんですか。
ない、しばらく日本にいるつもりなんだけどな。
じゃあ
一緒に豆腐屋やりましょうよ