違和感コルビーは最近変だ。〇〇のことばかり気にしている。本人は自覚がないみたいだけど今日も自分の言葉の後にアイツのことを目で追っていた。
あれ、なんで〇〇は不機嫌なんだだって。
少し前までは、別にそんなこと口にしなかったのに。
「コルビー、気になるのか。〇〇のこと。」
「フィッシャーは気にならないのか」
「あぁ、気にならない。別にあいつにどう思われてもどーってことない。嫌われたってへっちゃらだ。」
「…そう。」
「お前はそうじゃないのか」
「…わからない。」
「何だよそれ。」
「フィッシャーが、そう言うならそうだと思うけど、たぶん違うって思うからそう訊いたんだろ」
「…おかしいぞ、お前。あいつは純血じゃない。」
「でも、みんなが一目置く魔女だ。」
弟は少し前まで俺と喧嘩をしてもすぐに負けるタイプだった。
だけど、今は違う。
まずあいつを庇う。
「お前、変だよ。やっぱり。俺の知ってる弟じゃない」
気味悪さを感じた俺は思わず、声を張り上げた。