Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    hyounoko_homo

    @hyounoko_homo

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 29

    hyounoko_homo

    ☆quiet follow

    文字書きのリハビリ

    【登場人物】
    加賀美玲、有賀律、天狐七海

    リハビリ第一弾「うわぁん!聞いてよ、りっちゃん、ナナミン!」

    食堂のテーブルで突っ伏しながら、びえーん!と泣いているのは、捜査一課の加賀美玲だ。
    そんな加賀美を、りっちゃんこと有賀律……そして、ナナミンこと天狐七海は困った顔で見つめていた。

    最近は一緒に捜査する機会も減ってしまったが、彼らは警察学校時代の同期である。

    「うわぁ……加賀美の話長そうだから聞きたくねぇんだけどよ……」
    「そんな!ナナミンひどい!こんなに泣いてる僕の話を聞かないなんて!」
    「まぁまぁ、聞くだけ聞こう。んで、どうしたんだ?」
    「聞いてくれるりっちゃん大好き♡」

    さっきまで泣いてたのに、直ぐに笑顔になるのはある意味才能だよなぁと思いながら、二人は話を聞く体勢になった。
    加賀美も真剣な表情になるものだから、二人も真剣な表情で加賀美を見る。

    「この間……潜入捜査に参加したんだけど」
    「おう」
    「皆バニーの姿だったのに、僕だけウサギの着ぐるみだったんだよ……!」
    「うん……?」
    「僕だって!カッコイイバニーの姿が良かったのにぃ!着ぐるみなんて酷くない!?ねぇ、りっちゃんもナナミンもそう思うよね!?」

    有賀は言われたことを理解するのに時間がかかっているのか、頭に?を浮かべていた。七海はというと、困惑した表情をしている。
    暫く沈黙した状態が続いていたが、ここで七海が口を開いた。

    「……帰っていいか?」
    「どーーーーして!?慰めてくれてもいいじゃない!」

    加賀美は七海の両肩を掴んで、ガクガクと揺さぶる。

    「いやすまん……俺には荷が重すぎたたたた世界が揺れるるるる」

    このままだと首が死んでしまう、と思った時に、ようやく理解した有賀が口を開いた。

    「待ってくれ!一人だけ着ぐるみだった……ということは、それは加賀美だけ特別だった……という事じゃないか……!?」
    「何言ってんだお前」

    思わずツッコミをいれた七海。
    ツッコミなんていれずに、この時点で席を外せばよかったのだが……。

    「着ぐるみは顔が分からないからこそ、体全体での表現が必要になる。つまり、加賀美はそれが出来るからと思って、その能力を買われたんじゃないか?」
    「僕の能力が買われたからこその……着ぐるみ……」
    「そうだ、そうに違いない!」
    「ぜってぇ違うと思う……」

    そういえば有賀という男は、真面目すぎて変なところで天然を発揮するんだった。
    頭を抱え始める七海に、更に二人は会話を続けていく。

    「しかも、実際にその着ぐるみで仕事をやり遂げたんだろう?」
    「もちろん!センパイたちと一緒に、事件も解決したからね!」
    「最高じゃないか加賀美……!それも評価に入って、次に似たような事件があったときにもきっと呼ばれるな!」
    「エヘへ、そうかな?そうだったら、また僕頑張っちゃう♡」
    「その意気だ、加賀美!」

    ワイワイと盛り上がってる二人をみて、フッと笑う七海。二人が楽しそうで良かったが、一つだけ言いたいことがあった。

    「やっぱり、俺帰っていいか?」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💞👏👏👏👏💞👏👏👏👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works