気障 き‐ざ【気▽障】
[名・形動]《「きざわ(気障)り」の略》
1 服装や言動などが気どっていて嫌な感じをもたせること。また、そのさま。
2 気にかかること。心配なこと。また、そのさま。
3 不快な感じを起こさせること。また、そのさま。
引用元 デジタル大辞泉
「見せてください」
布団の中、右隣に転がる狂児に向かって聡実は訴えた。毛布をかき分け、狂児の腕を引っ張り上げる。右手首から前腕の真ん中あたりまで、まっすぐに伸びる傷跡。気付いたのは、ほんの一時間前だった。袖を捲ったときに偶然見えたのだ。もう何か月も前の話だと狂児は言う。少しも気が付かなかった。
「ちゃんと塞がってるし、心配せんでも」
「自分に腹が立つんです。何も知らんかった自分に。ええから、見せて」
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