微かに聞こえてくる小鳥の囀りにまだ幾らか重い瞼を開き目を覚ます。
遮光カーテンをしっかりと閉めている部屋は朝を迎えても暗い為に小鳥が朝を知らせなければこの部屋は夜と変わりがない。
しかし、今朝はこの静かな部屋に大きな変化がある。
すぅすぅ、とすぐ隣から穏やかな寝息が聞こえてくる。
暗さに慣れてきた視界がぼんやりと眠る相手の輪郭を捉え始めるが、はっきりとは見えないもどかしさにカーテンの開閉が出来るリモコンに手を伸ばし少しだけ部屋に光を取り入れようと僅かにカーテンを開ける。
暗い部屋に一筋光が差し込んだだけでも部屋は明るくなり目の前の顔をはっきり見て取れた。
隣で眠るのは我が親愛なる店長ことアキラくんだ。
昨夜初めて家に招待し密な夜を過ごしそのまま泊まっていくよう勧めた為にこうして今隣で眠っている。
1741