『時の流れに 生まれたものなら 一人残らず 幸せになれるはず』アレクシス・ネスside
「…、」
「?羊、何聞いているんですか?」
いつもよりも暗い顔で、うつむきながら曲を聞いていた羊に対して何となくかけた一言だった。
「ん?あぁ、COSMOSっていう合唱曲」
「COSMOS…宇宙ですか?」
「あぁ、うん。そういう意味にはなるよな」
「それでもなぜ急に合唱曲を?」
僕の一言にすっと顔を下げる羊。何か、悪いことを言ってしまっただろうか。
でも、なぜ急に?
「何となく、聞きたくなってな」
「いい曲なんですか?」
「そういうんやなくて…、聞けばわかるわ」
そう言った羊は、スマートフォンの音声が出る部分を僕の方に向けてきた。
『時の流れに 生まれたものなら 一人残らず 幸せになれるはず』
「これ…、」
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