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    yori

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    yori

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    アスキラ。
    バレンタイン話。
    とーこさんのおくちゅりネタ見て、おくちゅりいいよねーっていう。
    言うて描写はほぼしてないのでR指定なしです。
    アスキラはよい。

    SS(アスキラ)くちゅり、と互いの唾液を貪る水音が響く。その音に鼓膜を振るわされると、ゾクリとしたものが背筋を走った。
    足を投げ出して座るアスランの膝の上で何度もキスを交わすキラは、既に一糸纏わぬ姿になっていた。
    アスランはちらちらと視界に映るキラの胸の頂きに手を伸ばし、指で摘んだ。
    「ひぁっ」
    思わず唇を離し、甘い声を洩らすキラ。
    それに気を良くして、アスランは唇の代わりにキラの胸を口に含んだ。片方はそのまま指で捏ねてやる。
    「ゃぁっんっ」
    高く甘い声。
    それだけで脳がくらくらとしてくる。
    こんなに効くとは思わなかった。
    そしてこんなに、キラが甘く甘く乱れるなんて。






    「アスラン、これ食べない?」
    そうキラが差し出したのは赤が基調のギンガムチェックの箱。紫と翠の2本のリボンがかかった少し特徴的なそれを、出されるままアスランは受け取った。
    「……どうしたんだ?これ」
    「え?貰ったんだよ」
    今日という日を考えたら、アスランは誰に?と問いたい。
    だが、それをできる関係性でもなかった。自分とキラは。
    しばらくその箱を見つめて、いいのか?と聞く。
    「うん、もちろん。一緒に食べようよ」
    そう言うともうオフモードなのかキラは潔白そうな白の隊服の上着を脱いで椅子の背もたれに掛けた。
    「皺になるぞ」
    「この後クリーニングに出すから大丈夫」
    「おまえなぁ」
    相変わらず大雑把なキラにため息をつくが、本人の許可を貰ったところでその二本のリボンを解いた。
    中からは可愛らしい動物を象ったチョコが並んでいる。
    「インスタントだけど、どうぞ」
    かたん、とコーヒーをテーブルの上に置かれ、ありがとうと告げた。
    「わ、可愛いチョコだね」
    「ほら」
    楽しそうに目を細めるキラに、アスランは一粒手渡す。
    自分はまずコーヒーを手にしながらソファに深く沈んだ。
    キラも横に座りながら、ぽこん、と小さなチョコを口の中へ。
    それを見届けてアスランはコーヒーを飲む。
    「今日はお疲れさん」
    「アスランこそ」
    2月14日はプラントにとって大切な、忘れられない日である。
    そしてそれはアスランにとっても。

    C.E70年2月14日ーーー
    地球連合軍の核攻撃により食糧精算コロニーであるユニウスセブンが消えた日。24万人を超える犠牲者の中に、アスランの母・レノアもいた。
    毎年この日はプラントから、地球のプラント経済特区から慰霊団が派遣される。
    キラはコンパスの平和維持活動として、アスランはオーブの中立性としてそれに参加していた。
    そのままカガリの采配により休暇になっていたアスランは、中身のない墓への来訪は、戦後は毎年キラと行くことにしていて。
    その為アプリリウスに戻るミレニアムに乗り込んだ。

    「最近は少しは休めているのか?」
    「うーん、前よりかは、かな。テロを起こす軍事力とかが弱まってるのもあるけど、あれ以来志願者とか加盟国とかも増えてくれて」
    ちょっと潤ってる、と言って微笑むキラ。
    昨年起きたファウンデーションによる事件は悲しいものであったが、それにより平和を望む者たちがより増えたのも事実だった。
    キラの領空侵犯やラクスの出自など、多少自分たちの都合の言いようには公表させて貰ったが、それ以上に奮闘したコンパスの活躍は皆に希望を与え、共に戦うことを願う人々が増えたという。
    そして仕方ないにしても国際救難チャンネルにてほぼ初めて顔を出したキラは、ーーーーー部屋の隅に山積みになったチョコが示す通り、その存在を世界に知らしめてしまった。
    フリーダムのパイロットであり、コンパス最高指揮官のなんと美しいことか、と。
    少し前に仕事でラクスに通信を繋ぐと、キラ宛だというチョコで、本部のキラの部屋は埋め尽くされているという。

    「おまえ、それどうするんだ?」
    「え?」
    そ、れ、と指されたのはどうしたらいいのか困ってしまって、無造作に置かれたチョコやプレゼントたち。
    キラは苦笑いを零す。
    「断ったんだけど、受け取るだけでいいんで!って渡し逃げ?されちゃって」
    どうしよう?と首を捻る姿は可愛い。
    二十歳も超えた男に言うことではないが、キラはキレイだが仕草は本当に可愛らしいのだ。
    それはキラへ想いを寄せるアスランの贔屓目を差し引いても可愛い。
    6歳の頃から積み重ねられてきた想いは深い。
    誰とも分からぬチョコたちに胸を締め付けられるほど。
    (そろそろ限界だーーー)
    キラは誰にでも優しく穏やかに平等に。
    だからこそ皆に好かれる。
    そこに特別があるとしたら、間違いなく自分。そしてカガリとラクスと、最近はヤマト隊の面々も含まれるか。
    その事にさえも身も心もより焦がされる。
    だから、と自分勝手な免罪符をうちつつ、また1つ、チョコを口に入れるキラを見つめた。
    「アスラン食べないの?」
    美味しいよ、と一粒渡され、そのままアスランも口にした。
    こんなものなくても、とは思うが、こんなものの、せいにしたかった。
    ガマンできなくなってきたのは自分なのに、まだ逃げ道を作ろうとしていることに少し呆れる。
    半分ほど食べたところで、キラがインナーをパタパタと仰ぎ出した。
    「なんか暑いね?空調効きすぎかなぁ」
    けれど上着を脱いだキラはアスランに比べれば随分と薄着である。
    「……ズボンも脱いでいい?」
    「おまえなぁ……」
    親しき仲にもだぞ、と小言を漏らしながら手でヒラヒラとしてやる。
    それをどうぞ、と間違いなく受け取ったキラはスラックスも脱いで短パン姿になった。
    スラリと細い足が覗く。
    「アスランは平気?」
    「んーまぁ、そうだな」
    キラにはそう答える。
    熱は持ち始めていた。
    けれどそれはとっくの前から。
    ーーーーこのチョコを食べる前から。




    「あ、つ……ぃ」
    火照った頬にアメジストを潤ませる。
    くてん、とキラはアスランへ身を預けながら顔を寄せてきた。
    「あす、あつい……」
    「あぁ」
    俺もだよ、とキラのインナーを脱がせた。
    チョコレートは全て食べられている。
    薬に強いコーディネイターにも効くと噂の、媚薬入のそのチョコレート。
    裏のルートでしか手に入らないはずのそれを、キラが誰から貰ったのかは分からないが、明らかにキラへ「そうする」ことを目的としたものだろう。
    こんなものを入手しようとする時点で「しらなかった」は通らない。
    後でそこはきっちり調査するとして、アスランはキラの頬に触れた。
    「あついな」
    「ん……あす、も、」
    「あついよ」
    言いながらキラへキスをした。
    ずっと焦がれてきた桜色の、形のよいそこへ初めて重ねる。
    「ん、ふ……」
    熱に浮かされたキラは吐息混じりに声を漏らしながら、けれど嫌がる素振りは見せない。
    「あ……ごめん、ど、しよ……」
    なんでぇ、と泣きそうなキラの視線は自分の下腹部へ。
    短パンを押し上げる存在に、キラは困ったようだった。けれどせり上ってくる熱があるのも確かで、それを考えたら「こう」なるのも分かる。
    だがコーヒーを飲みながらチョコを食べただけなのに。
    キラは軽くパニックになっているだろう視線をうろうろと彷徨わせていた。
    「おいで、キラ」
    熱いのはお前だけじゃないよ、と体を引き寄せてまたキスをする。
    それだけで全身を快楽が襲う。
    分かっていてアスランはそのままそのチョコを食べさせた。
    変わらぬキラとの距離を縮めるために。
    「あすら……たすけ……」
    「あぁ」
    自分ではどうにもできないほどの熱を持て余したキラを抱きしめて、熱い唇を貪った。







    「……痛い……」
    「すまない……」
    「あ、いや、ごめんね、アスラン……」
    一度はソファのうえで、それからベッドでアスランは三回果てた。
    キラが放出した回数はもはや数えられていない。
    キラはベッドの上で動けず頭だけ項垂れる。
    「なにがだ?」
    「えーいやぁ、僕男だし……」
    こんなことになって、と。
    幼なじみで親友で、男の自分と、こんな。
    そう言えばアスランは少し決まりが悪そうにした。それにキラははた、と気がつく。
    「君、もしかしてこのチョコ知ってたの?!」
    「って……キラも知ってたのか?嘘だろう?」
    目を丸くして驚くアスランに、それはこちらのセリフだとキラは思う。
    知っていて、アスランは食べたというのだろうか。
    勧められるままほとんど食べたのはキラだったけれど。
    (……ん?)
    知っていて、アスランは食べて、キラに勧めたということは。
    「……俺はターミナル所属だぞ……」
    「知ってる」
    非合法のものなどお手の物。
    そう言いたいのだろう。
    確かにキラもそこは失念していた。
    「……キラと、シたかった」
    「へ?!」
    ずっと好きだったから、とアスランが告げる。
    始めてあった日からだから、片思いは14年になる。聖人君子ではないのだから、二次性徴迎えるころにはそういう目で見ていた。夢精もキラだし、自慰のおかずもキラだし、通信はすべて録画してるし……と連ねるアスランにキラは真っ赤になってあわあわと両手で制止してきた。
    「え?あ、え???君、え?」
    驚きすぎたのか キラは言葉が続けられない。
    アスランはこちらは言ったのだから、とキラの手を掴む。逃がす気は早々になかった。
    「これ、誰に貰ったんだ?」
    「……貰った、というか、ちょっと前にラクスと行った新しい支援国との懇親会で出されてて」
    「はぁ?!」
    なんだそれは。
    乱交パーティーでも開くつもりだったというのか。
    「プラントの議員の護衛にきてたイザークたちが気がついてくれて大丈夫だったんだけど」
    その時にこれの存在を知った。
    そして今回。
    キラの能力を駆使して手に入れたのだという。
    「……どこから突っ込めばいいんだ……」
    「懇親会のことは、アスランには言わないでって僕がイザークには頼んだんだよ」
    「はぁ?!」
    「心配するだろうし、君に使いたいなって、その時には思ってたから……」
    後ろめたいのかもにょもにょ言いながらシーツに包まるキラ。
    それをがばっと剥ぎ取る。
    「わぁっ!」
    「キィーラァ」
    「だからごめんってぇ」
    「いや、しかしかなり国際問題だぞ、こんなの」
    キラの言い方からすれば、コンパスへの新しい支援国、母体であるプラントは確実に絡んでいる。
    「オーブも大西洋連邦もいたよ。カガリが来れなくて僕が代理も務めたんだけど」
    「……またややこしいな……」
    「ほんとはダメなんだろうけどね……」
    はは、と力無く笑う。
    「あれか、カガリがめずらしく熱出したときか」
    「うん、そう。だからどうしようもなくて」
    アスランが調査結果をもって1ヶ月ぶりにオーブに戻ると、副官たちに公にはしていないが発熱しているため、書類は預かると言われたのだ。
    顔なじみの副官たちではあったが、ものが物だけにアスランも日をずらして報告に行った。
    その時だろう。
    「それでそのチョコの出処はどこだったんだ?」
    「……聞いちゃうんだ」
    「いや、だ……」
    だから、もしかしたらキラが餌食になっていたかもしれないのに、と続けようとして。
    今話すことかと聞かれれば違う。
    思わぬ事態に仕事モードになるところだった。
    「まぁそんな真面目な所も好きだけどさ」
    「真面目とかそういうことじゃなくてだな……」
    キラが関係しているからだ、とつよく思う。そうでなくばどうでもいい。
    しかしそれより大事なことを今キラは言わなかったか?
    「き、キラ?」
    「……好きだよ、君のこと。僕だってずっと。じゃなきゃこんなの食べさせるわけないじゃないか」
    家が決めたこととはいえ婚約者がいて、その後は偽物の婚約者もいて、女の子庇って怪我して(それも死にかけの)帰ってきたり、やたらと周りに可愛い子ばかりいる片思い中の幼なじみ。
    たいして自分は年数こそアドバンテージはあるが、同性という圧倒的に不利な条件の元。
    なかなか会えなくなってしまってからは焦る一方だった。
    対同性に対してどこまで効くか分からなかったが、効いたら効いたでラッキーとばかりに既成事実を作ろうとした。
    いや、別に男だから妊娠するわけではないけれど、アスランは真面目だから。
    結果はまさかのまさかだった。
    「僕は嵌めたのか嵌められたのか」
    イザークだってあの時ターミナルの調査で上がっている非合法の薬が使われたチョコだと言っていたではないか。
    なぜ忘れてたいたのだろう。
    きっと悶々としていた自分に降り注いだ一筋の光に見えたから、そんな細かいこと考えられなくなっていたのかもしれない。
    それはそれで何だか恥ずかしいが。
    「……ハメられたんだろ?」
    「えーでも僕が先に……」
    そこまで言って気づく。
    アスランがニヤリと笑った。
    「キラのここが、俺に」
    つ、と小ぶりな尻の割れ目に触れられる。
    途端ビクリと反応してしまうのは仕方ないと思ってほしい。
    だって身体全部で覚えている。
    アスランの、熱を。
    「オヤジ……」
    「なんとでも」
    いそいそとまたシーツにくるまろうとするキラをそれごと抱きしめながら、アスランはこつん、と自分の額をキラのそこにあてた。
    「じゃぁキラ」
    「……なに」
    「俺と付き合ってくれますか?」
    「……当たり前ジャン……」
    なんだろうか。
    アスランではないが、本当にしてやられた気がする。
    「今度から母上には恋人になりましたって報告しないとな」
    「……僕も言わなくちゃ。ずっとレノアおばさんにアスランが好きですって言ってきたから」
    「……そうなのか」
    「うん。誰にも言えなかったからさ。おばさんにだけ、相談してた」
    「そうか……」

    俺もだよ、と言ったのは胸の内だけにした。

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