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    Magito_No3

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    Magito_No3

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    デルコンダル王めっちゃいいモブおじポジにおるなと思いながら書いたほんのりロレムンの没小説
    ぶつ切り

    キラータイガーを捩じ伏せれば、デルコンダル王は見事だと笑いながら、月の紋章を寄越した。ありがとうございます、と笑顔を作ってお辞儀をし、とっととその場を後にすべく後ろを向いて歩き出す。バニーガールを侍らせる王など、はっきり言って今後交流すらもしたくないからだ。俺たちを試すようなやり方もいけすかない。

    「しかし、王女すらも戦いに駆り出すとは情けない王子どもだな」

    ぴた、と足が止まる。反応してはダメだ、このまま去れ。頭でわかっているのに、足は動かない。

    「世界を救う旅とはいえ、女の力を借りねば戦えぬ王子など、誰が信頼を置く? 女を危険に晒しているのも嘆かわしいことだ」
    「お言葉ですが、王」

    カインが出るより先に、俺の口が動いてしまった。クソ、舌戦は得意じゃないのに。

    「これはマリア王女自身が望んだ事です。彼女の想いを汲んで、我らは共に旅をしている」
    「彼女の想いがなんだという? どのみち女がいては足手まといではないか! 先ほどの戦闘も、後ろから杖を持って見ていただけだろうに」
    「それは、大きな怪我もなく、攻撃呪文を撃つ必要もないと──」

    マリアが言い返すよりも先に、デルコンダル王は下品な声を上げた。

    「そうだマリア王女、ここに留まれ。そしてわしの妃となれ! 亡国の姫など、どこも引き取りはしないだろう。だがこのわしは違うぞ。お前のように大層美しい女なら誰でも──」

    瞬間、俺は振り向いて、その玉座めがけて飛び上がる。バニーガールから悲鳴が上がり、下の方からは慌てた声が聞こえたが、もはや俺の耳には入っていない。

    「ひぃっ!?」
    「貴様、女をなんだと思っている」

    鋒は王の喉元に向いている。怒りに体が突き動かされているが、どこか冷静な頭が、すらすらと言葉を並べ立てている。

    「マリアはお前の性欲を満たすための女じゃない、俺の仲間で、由緒正しきロトの末裔、何より俺の婚約者だ。それを貴様のような下劣な王が妃にだと? ふざけた事を抜かすんじゃない」
    「いっ、いくら他国の王子といえどっ、これ以上口答えするなら戦を仕掛けるぞ!!」
    「仕掛けたいなら仕掛ければいい、俺は言葉を撤回しない。母国なんか俺にはどうだっていいからな」
    「アレン!!」

    ようやくマリアの叫び声が耳に入って、俺は鋒を下ろした。不味いな、流石に我を忘れていた。

    「──とにかく。彼女を侮辱するのであれば、我々は貴方の敵となります。お忘れなきように」

    適当にそうしめて、玉座からコロシアムへと飛び降り会釈をし、俺たちはデルコンダルを後にした。

    国を出てすぐ、カインとマリアのゲンコツが降ってきて、
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