安赤ワンドロワンライ「ゲーム」
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「安室透くんに告白された」
「は?」
「どうすればいい?」
「……いや、本人ここにいますけど」
「いいや、きみは降谷零だろう……」
「……安室に告白されたんですね?」
「ああ。俺も好きだと応えた方がいいか?」
「ぼく安室でもあるんですけど、安室透として告白した記憶がないんですよね……なんです、煽ってるんですか?」
「煽ってないさ……ほら、これを見てみろ」
『秀一のことが好きです! 付き合ってください!』
秀一 は 安室 透 に 告白 された!
▶︎私も好きです
▶︎ごめんなさい
「……なんですかこれ」
「恋愛シミュレーションゲームだ。小説の中に選択肢があって読者が選ぶんだが、その選択によって展開が違ってくるらしい。ポアロにいる女子高生に作ったから試してほしいと言われてね……」
「へえ……」
「『安室透との相性チェック! 付き合えるかも♥』っていうタイトルなんだ。自分の名前を入れて遊ぶらしい。告白されるところまで一発で来たのはいいんだがな……」
「……付き合えるかもとタイトルに打っておいて断る選択肢があるんですね」
「確かに。それも面白いが、なかなか文豪でな、内容も読んでいて面白い。安室くんに情が移りそうだよ」
「……断ってくださいよ。その文豪が書いた安室透は虚構ですよ」
「その虚構に負けてもいいのか、零くん」
「あ? 煽るのやめてもらっていいですか?」
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