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    Mizuno_fh

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    Mizuno_fh

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    現パロ フェヒュ。R-15微ホラー。
    1話目長いので、前半後半に分けてR-18部分は後半に回しました。
    フェヒュというか現状はまだ霊ヒュ。

    逃がさない(1/2)ヒューベルトは散り散りとなった書類の中から、目的の一枚を探し出した。薄く滲んだ染みを血痕の付いた表紙を静かに指で拭い、手袋を裏返して内ポケットへ滑り込ませる。

    「こちらは片付きました。
    後は私どもが片付けを。どうか、あの方へ」

    淡々とした声に短い返事が返る。部下は目前の光景に一瞥もくれず、静かに立ち去った。
    真昼の陽光が容赦なく差し込み、ヒューベルトと倒れ伏す男の姿を浮かび上がらせる。

    取引の行方を左右する一枚の書面。それは既に血で血を洗う闇の世界で、新たな混沌の種となっていた。裏切りと欺瞞が渦巻く商いの中で、エーデルガルト様は幾度となく密会を重ねた。甘い蜜のような約束を餌に、しなやかな蜘蛛の糸を紡いでいったのだ。
    だが相手は、その誘いを凛然と退けた。さらには彼女の暗部に切り込もうとする舌鋒すら向けてきた。ヒューベルトの心に決断の影が差したのは、その瞬間であった。

    なおもこちらを責め立てるそれに、「綺麗事でビジネスは回りますまい」と冷笑を返す。

    なに、手を血に染めるいつものことだ。要人の場合は策略を巡らせ周りから切り崩すのが常だが、現状目の前で死にかけているソレには慎重に動く程の価値がなかった。

    血塗られた幕引きを終えて、ヒューベルトは静かに立ち上がった。人温もり残る客用のカップを棚に戻せば、そこには俗なる金彩の茶器やオブジェが並び立つ。成金趣味の下品な装飾だ。

    「前の当主殿は金に卑しくは御座いましたが、貴方ほど愚かではございませんでしたよ」

    深紅のカーペットに、より濃い色の花が咲いていく。頭蓋を砕かれてなおも抵抗していた男の言葉は、もはや意味をなさない断片となって、死の闇へと溶けていった。最後の言葉を紡ごうとした唇が、沈黙へと溶けていく。ヒューベルトは静かに膝をつき、まだ温かな頸動脈に指を添えた。

    そっと傍に寄り、脈を確認する。命の鼓動は次第に弱まり、やがて永遠の眠りへと移ろっていくだろう。

    その時、ヒューベルトの胸中に何か得体の知れぬ感覚が忍び寄る。背筋を走る戦慄に、思わず息を呑んだ。
    だが、その奇妙な感覚は朝霧のごとく消え去り、虚しく宙を切る。死者の最期の言葉など、もはや意味を持たない。全ては終わったのだ。


    静寂を破る扉の音。

    「ヒューベルト様」

    部下の声に軽く頷けば、彼は素早く踵を返した。

    「屋敷の始末、滞りなく」

    「ご苦労」

    冷たくなった遺体は深紅のカーペットに包まれ、静かに運び出されていった。やがて他の魂と共に、灰となって夜空へ消えゆくのだろう。
    任務を終え、車へと向かう前に仰いだ空は、この世の穢れを知らぬかのように、澄み切った青を湛えていた。



    ====================




    「ヒューベルト、貴方顔色が悪いわ」


    エーデルガルト様の指摘に、私は戸惑いながら瞬きを返した。事業は順調で競合も減少し、心身を蝕むような状況とは無縁の日々が続いている。


    自身に何か変化があったのかと、ヒューベルトは部屋の装飾に施された銀メッキに映る姿をちらりと窺う。
    漆黒の髪と青白い肌を持つ、いつもの自分の顔と目が合った。

    「何か、おかしな所でも?」

    「ええ、体調が悪いのなら倒れる前に休みをとって。顔が真っ青」

    「私の肌の色はご存知の通り、生来のものですが」

    「誤魔化さないで頂戴」

    貴方の無理が今後の重要な予定に支障をきたすのは避けたいの。
    ヒューベルトは想定外の強い返答に言葉を噤んで眉を寄せる。エーデルガルトの翠眸が、拒否を許さない凛とした光を宿していた。本日は会議もなく、さして重要な作業は予定されていなかったはずだとスケジュールを思い出す。

    「……ではお言葉に甘え、本日は休みを頂きます」

    「そうしなさい」

    満足げに頷いたエーデルガルトは、「また明日、お大事に」と一言告げると新たな仕事を求めて部下たちの元へ向かった。その背中を見ながらヒューベルトはそっと自身の痩けた顔を撫でる。彼は体調管理には常に気を配っている。十分な睡眠を取れており、むしろ最近ではここ数年で絶好調とさえ言えた。

    結局のところ、有無を言わさない彼女の言葉に逆らうわけにもいかず、ヒューベルトは大人しく自身の執務室に戻る。序でに鏡で念入りに自身を確認したが、いつもと変わらぬ姿に首を傾げる。普段、体調を指摘されるときは彼は必ず何らかの不調を自覚している。更に些細な寝不足による隈も薄化粧で隠すほど気を配っているヒューベルトが、朝から他者に体調を指摘されることなど滅多になかった。

    だが今日は違う。
    今からでもエーデルガルト様の元へ戻ろうか——いや、それもまた面倒な話になりそうだ。もしかして彼女は何かの意図で私を遠ざけたかったのかもしれない。念の為、明日出社する前には軽く赤みのある粉でも叩こうと考え、ヒューベルトは渋々自席を立つ。

    体には活力があり、今の所仕事も持ち帰りが必要な程立て込んでいない。仕事はあるものの、どれも部下で対応できる程度の案件ばかりだった。むしろ、これほど余裕のある日は珍しい。
    幹部のみが使用できる社員通用口のセキュリティゲートで生体認証を行い、エレベーターに乗り込む。社員IDを翳し、エレベーターのボタンを押す。上層階から順次下降している機械の箱が鈍い音を立てながら重力に逆らう感覚にヒューベルトは目を閉じた。

    そういえば最近は自分の時間というものをあまり持つことができていなかったように思う。この機会に、彼女の勧めの作家の本を求め、興味を示していらしたカフェに立ち寄るのも悪くない。無理さえしなければ、明日には良い土産話もできるだろう。ヒューベルトはそんなことを考えながらエレベーターが目的の階に着くのを静かに待った。

    高層階からB1、B2と駐車場のある地下へ下がっていく。そんな折に、ヒューベルトは鼻につく不快な匂いを感じ眉を顰める。マスクを取り出そうか逡巡していると、地下4階駐車場のエレベーターホール階で扉が開いた。エレベーター内へと強いシンナーが混じった薬品の臭が充満する。

    「…何です、この匂いは」

    「申し訳ございません。換気を行っておりますが、予定より臭気の除去が遅れているようで…」

    エレベーターを降りると、見慣れた社員と幾人かの社員証を下げたスタッフの監督下で、業者が壁の塗装後の片付けを行っていた。彼の姿を見かけた、ヒューベルトの顔を知っている上役の社員は足早にヒューベルトに駆け寄ると小さく頭を下げる。
    ヒューベルトは天を仰ぎ、常に換気が行われている筈のエレベーターホールに漂う臭気の強さを訝しむ。換気扇は普段のように稼働している様子だが、全く間に合っていない。

    消しきれない刺激臭にヒューベルトはハンカチで鼻を抑えたままホールを抜け、足早に車庫エリアの鉄の扉を開ける。
    幸いにも作業中こちらの扉を開かなかったのか、この場所まで刺激臭はあまり漏れ出していなかった。駐車場も併せて換気を行っているのか不快なそれが随分マシになっている。臭いに敏感な体質のヒューベルトは頭痛が起きる前に抜けてしまおうと、扉から離れた位置に駐車してある黒い社用車へ足早に向かう。

    いつもはヒューベルトの接近に合わせひとりでに起動してドアノブを点灯させるはずの車は、何故か反応がない。
    試しにドアノブに手を掛けてみるが、固く閉ざされたまま。ヒューベルトは僅かに眉を寄せ、懐から鍵の束を取り出した。
    カチリ、カチリ。
    手動のロック解除ボタンを何度か押すものの、応答はない。

    鍵の故障か、エンストか。
    予定外の車屋行きを余儀なくされ、苛立ちを押し殺しながら、ヒューベルトは電子鍵から内蔵キーを取り出す。普段は決して使うことのない鍵穴を探して指先が彷徨う。慣れない動作に気を取られた一瞬、指の間から上質なハンカチがこぼれ落ちた。白い布地は、まるで見えない手に導かれるように、車体の下へと消えていく。

    「チッ」

    舌打ちと共に、ヒューベルトは静かに膝をつく。だが、姿勢を低くした瞬間、異様な臭気が鼻腔を突き抜けた。シンナーにも似た……いや、違う。これは紛れもなく──ガソリンの匂い。
    直感的な危険を察知し、ヒューベルトは素早く身を引いた。車体の下から漏れ出す不吉な気配に、背筋が凍る。ヒューベルトは周囲を警戒しながら車から距離を取り、静かにスマートフォンを取り出した。




    煩雑な手続きを終え、ヒューベルトが帰宅したのは薄闇が迫る頃だった。
    車体の下に消えたハンカチは、タンクから滴り落ちたガソリンが作り出した小さな湖に沈んでいた。

    ヒューベルトが来た方と反対側に多くが流れ出ていたこと、また外壁塗装作業が終わったばかりのエリアを抜けてガソリンと似た薬品の匂いで鼻が麻痺していたせいで発見が僅かに遅れたこと。さらに、電子キーの故障により内臓の物理キーの使用を強いられ、危うく大惨事を引き起こすところだった。接触面が少ない鍵先と車体は、冬場では高確率で静電気を誘発する。


    もしヒューベルトが普段通りの勤務をしていたら、外壁塗装の換気は充分に完了していたはずだ。鍵が故障していなかったら、車に近付き起動した段階で車体の異常検知音がなっていたはずだ。
    車屋の話では、ガソリンタンクの故障も外部からのものではなく、劣化か製造時に溶接部分へ亀裂が発生した可能性が高いとのことだった。

    業務後の発覚であれば深夜になるまで事故対応が続き代車の手配すら儘ならなかったことを考えれば、些かの慰めにはなった。

    「(またか)」

    ヒューベルトの通勤に纏わるトラブルは、既に両手で数え切れないほどに及んでいた。
    立場柄ドライバーが付いていたこともあったが、1人は交通事故を起こし、1人は競合他社のスパイと判明し解雇に至った。
    通勤圏内と考え、社バスの運行する地区へ転居したものの、自分が使用するようになってからやはり交通事故が発生するようになり、それも社バスの運行始まって以降全ての現場に居合わせた。
    背後の悪意を暴こうと、意図的に電車通勤に切り替えたが、人身事故に複数出会し、挙げ句の果てに深夜の最終便の誰もいないホームで線路に突き飛ばされ本格的に命の危機を感じて断念。

    ここ数ヶ月はもう自分で運転するしかないと車に切り替えたが、一度は教習中の新人ドライバーと教官に後方から軽く追突、一度はブレーキオイルが切れ停止できず事故を起こし、本日は車体のトラブルだ。

    計画的な妨害ならば対策も立てられようが、一連の出来事に共通する犯人の影すら掴めない。幸いにも事故で軽傷を負う以上の事態は発生してないが、電車と今日のトラブルでは対応が遅れていたら死の危険すらあった。

    単なる不運として片付けるには、出来事も頻度も余りに不自然だった。だが全ての事故は偶発的なものと結論付けられ、今回のインシデントも監視カメラからは不審な人物の姿を確認できなかった。何よりヒューベルトは一連の出来事以降、鍵や車体そのものの管理も徹底していたために、こちらの故障に関しての説明もつかない。

    分厚い報告書を机上に置き、ヒューベルトは疲れた表情でネクタイを緩めた。いつもなら夜更かしをしてでも書類を片付けるのだが、今夜ばかりは心身の疲労が勝った。

    キッチンに立ち、冷蔵庫の中身を確認する。フレスベルグ社から週に二度派遣されるハウスメイドの用意した作り置きのサラダと、解凍しておいた牛肉を取り出した。マリネした牛肉が鉄板で弾ける音だけが響く静寂の中、ヒューベルトは報告書や監視カメラの映像を頭の中で繰り返し、不審な点を探る。偶然としては不自然な連続だが、確たる証拠も、犯行の手口すら掴めない。当初は敵対する者たちを疑い調査を進めたが、追及すればするほど真相は霧の中へと消えていった。

    唯一確かなのは、自分を傷つけ、抹消しようとする強い殺意の存在だけ。

    食事を終え、シャワーを浴びる頃には既に夜の帳が降りていた。寝室の窓から見える都市の明かりを眺めながら、今日一日の緊張を少しずつ解いていく。思いがけず散々な日になった。

    本を読む気力も起きず、柔らかなベッドに身を横たえる。普段よりわずかに早い就寝時間だが、いつもの習慣通り、ヒューベルトは枕元の時計を確認し、翌朝のアラームをセットする。最近は頻繁に寝苦しさで目覚め、濡れた寝巻きやシーツを替えることがある。今日ばかりは熟睡させてほしいものだと空調の正常な稼働を確認し、上質なシルクのシーツに身を沈めながら、高い枕に頭を預けてヒューベルトは静かに目を閉じた。









    息苦しさに目が覚める。

    寝ぼけたように霞む頭で僅かに瞼を持ち上げる。辺りは真っ暗で、ブラインドから日の光が漏れている様子はない。寝返りをうとうと腕に力を入れるが、……何者かに押さえつけられたように微塵も動かない。明確に誰かの手でヒューベルトの腕は強く拘束されている。
    見慣れた天井、整然と並ぶ家具の影に、人の気配はなく、隠れられるような死角もない。僅かに頭を持ち上げて、自身の身体を確認する。薄手のシルクは身体にしっかりと覆いかぶさり、自身の体のシルエット分の盛り上がりだけある。……特に何かに拘束されているわけでも、誰かが存在しているわけではない。

    部屋には侵入者がいる形跡も、いた形跡もない。音や人の気配も一切なく、薬物の香りもなく、冬の冷気だけが部屋を満たしていた。


    夢と現実の狭間。金縛り。ヒューベルトは冷静に分析した。疲労時に頻発するノンレム睡眠特有の現象に違いない。

    家業を継いで以来、金縛りの中で過去の亡霊に首を絞められる夢を幾度となく見てきた。

    空虚な部屋で響く怨嗟の声を聞きながら、見えない手に首を締め上げられ、息が途絶えていく。夢だと悟るか、窒息の限界で意識が途切れる寸前に、必ず目が覚めた。


    冷たい何かが這うような感触に、ヒューベルトは背筋を震わせる。予想通りのそれはヒューベルトの首筋をなぞる。次にやってくる苦しさに備えて息を止める。
    しかしその何かしらの感触は胸元、鳩尾、脇腹へと這い降りる羽毛のようになぞっていく。まるで人の手のようなそれに掛け布団の上を凝視するが、自らの微かな動きに応じて揺れるシルクの布地が見えるだけだった。

    「…………」

    嫌悪感と、僅かな警戒心がヒューベルトの意識をより鮮明にする。脇腹まで降りた感触は鼠径部をゆるく這い回る。
    指先のような軽さのそれは、まるで成人男性の手のひらのような厚さと重みになると、まるで体の形を確かめるように指圧を加えていく。一つだった感触は二つになり、鳩尾からぐっ、ぐっとマッサージをするかのように押し潰しながら骨盤の近くまで降りていく。膀胱の上を体がベッドに沈むまで強く圧迫されたのち、再び指先で弄ぶような微細な刺激が腹部から胸部を這い回る。あまりの気持ち悪さと悪寒でヒューベルトの息が荒くなる。

    その感触は上半身だけに飽き足らず、腰、鼠蹊部を伝い太ももまで伝っていく。筋肉をほぐすようなマッサージのように圧を加えられたかと思えば、悪戯にくすぐるように内股を撫でたり、強く骨を辿るようになぞられて足の裏から指の股まで全身余す所なく触れられる。

    「は…………」

    マッサージと愛撫を混ぜたようなその動きに、僅かに呼吸が熱を帯び、不思議な感覚が腹の底へと沈殿していく。緊張感の糸を解かさないまま、ヒューベルトは目の前の空間を睨みつけた。勿論、そこには何の気配も存在しない。ただ呼吸や感触に合わせて上下に動くだけの自分の腹部と掛布団があるだけだ。


    ふと、足を撫でまわしていた何かの感触が消え失せる。

    不審がるのも束の間、数秒も経たないうちに、何かにつねられるような鋭い痛みが脇腹を抉った。
    程度は強くないが突然全身を走った電撃のような痛みに、ヒューベルトの体は反射的に跳ね上がる。
    摘まれた箇所が熱を持ち、じくじくと痛みを発すると、その上を何かが滑るように這う。痛みが失せた一瞬の解放の後、再び鋭い刺激が肌を責め立てる。

    腕やふくらはぎ、腹部などどこからやってくるかわからない強い刺激と、慰めるようなぬるま湯のような心地良い手のひらの感触が絶えず与え続けられる。擽ったさというには苦しく、痒いというにはもどかしい。次はどこにやってくるかわからない痛みに全身の感覚が鋭くなり、感覚が鋭敏になった箇所をゆっくり撫でられる。
    疼きに腰が震え、鳥肌が立ち、筋肉が痙攣する。ヒューベルトは強く唇を噛みしめ、暗闇を睨んだ。

    身体を捩ると衣服や毛布がこすれる刺激にさえ息が詰まる。拘束された身体を僅かに反らすと、胸元に違和感を覚え、僅かに目を見開いた。小さな膨らみが胸部に2つ、シーツを押し上げている。ヒューベルトが意識したのと、何かがそれに触れるのは同じタイミングだった。シルク越しに輪郭を辿られ、次の瞬間、他と同じようにその先端が強く摘み上げられた。

    「…………っ…!!」

    いっとう皮膚が薄いそこは、他と一線を画すような痛みを発する。思わず一瞬呼吸を止めて体をこわばらせる。逃れようと体を捩るが、表面積の少ないそこの表面を撫で回され、硬さを持ったそこを転がされる。胸の頂きが下から掬い上げられるように揉まれ、背筋を大きく震わせた。

    抑えきれない声を喉の奥に押し戻すように、ヒューベルトは唇を強く噛みしめる。
    先程までのもどかしい擽ったさが、明確な甘い性感に変わっていくのにそう時間はかからなかった。布越しに軽く乳首を撫でられ、潰されるとじんわりとした快感が腰に蓄積されていく。一番反応があったのを見透かされたのか、手は胸筋を掬うように揉みしだき、油断していたヒューベルトの乳首を再度強く抓り引っ張り上げる。先ほどより段違いに増強した痛みにヒューベルトは腹に力を入れ激痛に耐える。

    「……ぃッ…!」

    強い刺激に痛みが中心を起点に疼いている。それなのに、また指の腹で撫でられて癒やすように乳輪を擦られると痛みと入れ替わるように甘い痺れが身体中を支配していく。
    下腹部がずくんと疼き、呼吸が不規則になる。
    痛みと快楽が交互に繰り返され、抓られたり引っ張られたりする度に腰が浮き上がるのを止められない。
    痛いはずなのに、痛みが消えると切ない疼きが胸を震わせる。乳首を引っ掻かれ弾かれると心地良い感覚が腰に蓄積されて行く。

    「んッ……、はッ……、はっ……」

    執拗に両方の乳首を責められ続けていると腹の奥に熱が溜まっていくようだった。繰り返されるたびに腰の疼きも強くなり、自然と内股を擦り合わせるように下半身が動く。
    布越しにツンツンと突起をつつかれ、唇を噛んで首を振る。

    何かは執拗に両胸の突起をいじり続けた。
    抓られ、弾かれ、引っ張られ、引っ掻かれる。
    痛みと快感の緩急にヒューベルトは無意識のうちに何度もビクビクと腰を浮かせた。内腿を擦り合わせても刺激が和らぐことはなく、寧ろどんどんと蓄積されて余計にヒューベルトを追い詰めていくようだった。
    胸への愛撫で高められた熱は下半身へと集まり、ヒューベルトの陰茎は緩く立ち上がっている。

    ……一体、この悪夢はなんなんだ。
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