成長期さいきん、なんだかからだのあちこちがいたいんだ。
とくに、よるおふとんにはいるまえがつらいの。
トッコリのすがちいさくなっちゃったのかな?だからいたいのかな?
ぬくぬく暖かい昼間、カービィはフームに前々から思っているこの気持ちを相談する事にしました。
「ぽよ!ぽよぃ!」
「どうしたの、カービィ。」
「ぽよぉ…。」
カービィの普段とは違う声のトーンにフームは違和感を覚えます。
「…何か悩み事があるみたいね。あっちで話聞いてあげるわ。」
優しくフームは手を握り、木陰の下にカービィを連れていきます。
「相変わらずねーちゃん、カービィの言ってること理解しててすげぇな…。」
そんなブンの言葉も聞こえないくらい遠くまで。
「…なるほど…夜になると体が痛いのね。」
「ぽよぃぽよぃ!」
木陰に腰かけて話を聞いてあげているフーム。
「カービィが考えるにはトッコリの巣が小さくなったって……え?」
「ぽよ。」
「多分それ、巣が小さくなったんじゃなくてカービィが大きくなったのよ!成長したのよ!」
「せい…ちょう?」
首を傾げるカービィ。
「少しずつ子供から大人になることを成長って言うの。体が大きくなるのもそうだけど、男の人だったら声が低くなったり女の人だったら体つきが丸みをおびてくるのよ。」
「ぽよ。」
「カービィは……どちらも想像できないわ。メタナイト卿みたいに低い声もおかしいし、そもそも丸いから女性だったとしても見た目は変わらないわね。」
「ぽよぉ…。」
カービィは落ち込んでうつむいてしまいました。
「で、でも全体的に体が大きくなるんでしょうね。あなたとメタナイト卿、今だいぶ体格差があるから少しは近づくんじゃない?」
元気がなくなってしまったカービィにしまったと思ったフームは慌ててフォローします。
「………♥️」
その言葉を聞いてカービィの眼がキラキラ光り輝きました。
「わぁい♪わーい!わーい!」
全身を使って喜ぶカービィにフームは安堵しました。もしこのまま機嫌が悪かったらカービィが何をするかわからなかったし、自分も嫌な気持ちのままカービィと過ごすのは苦痛だと思ったからです。
「ありがと、ふーむ。だいすき!!」
悩みが解決され、すっきりしたカービィは広場に向かって走っていきました。
「いえいえ。……って…え!?カービィ、今…何て…。」
突然出てきたカービィからの言葉にひらひらとカービィに向かって振っていたフームの右手がぴたりと止まったのでした。
おまけ
あのねあのね、フームにぼくの体のいたみは「せいちょう」だよって教えてもらったんだ!
せいちょうって言うのは、体が大きくなるって事なんだって!うれしいなぁ!
メタナイト卿みたいに大きくなれるのならぼく、体のいたみはがまんできるよ!
足取り軽く広場にやってきたカービィは、あたりを見渡しました。
フームに相談する前からそんなに時間は経っていない筈なのに、周りの物が少し小さくなった様に思えました。
「えへ、えへへ。」
カービィは心がこそばゆい状態を落ち着かせるためにカワサキの所に行こうと考え、お店に向けて歩きだしました。