気持ちをクレヨンにのせてすき、すき、だいすき。
ぼくはこの思いを伝えたくって彼のそばに行くのだけれど、いつもはぐらかされてしまう。
多分、ぼくがこどもだからにちがいない。
そりゃあメタナイト卿はりっぱな大人だよ。
カッコいいし、つよいし、やさしいし……。
時々きびしいけれど…。
そんな彼にきもちをつたえようとして、ぼくは紙とクレヨンをとりだして彼の絵をかく。黒と青と灰色はすぐに短くなっちゃった。それだけたっくさん彼の絵をかいているからね!
その絵をもって彼がいるデデデ城に向かう。
ちょうどソードとブレイドの剣のしどうをしていたみたいで、ぼくには見せないきびしい表情や仮面をつけたままでもわかるくらいのほっとした表情をみせていた。
ソードがぼくの姿にきづいたみたいで、メタナイト卿に声をかけてくれている。ぼくにきづいた彼はキリッとした表情に変えてぼくのところに近づいてきた。
「どうした?今日は稽古も何も予定を組んでいない筈だが…。」
ああ。ふたりに教えていた彼のすがた、かっこいいな……。でもいそがしそうにしていたのに、おしごとの手を止めちゃった…。
そう思ったぼくは彼の絵を描いた紙を後ろにまわして、くしゃっ…とにぎりしめた。
「カービィ…?」
こまった顔をして彼がぼくの方を見る。ごめんなさい…と思ったしゅんかん、彼がさみしそうな表情をした。
「君がさみしそうな顔をしているのは私も辛い……。何か用事があって来たのだろう?」
そう言いながら彼はぼくをじっ……と見つめる。あぁ、彼のこの表情には勝てないなぁ……と思ったぼくは、
「ぽぅょ。」
と言いながら、後ろにまわしていた紙を彼にむかってさしだした。
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かわいい弟子のカービィが困った顔をして私の方を見ている。
ソードとブレイドの剣のトレーニング中にやってきたあの子はどうやら私を見ていたようであった。
気づいていない私に対してソードが「カービィが来ています。」と声をかけてくれた事もあり、そちらに視線を向ける。
私と目が合った瞬間にはかわいらしい表情をしていたあの子が距離を段々と詰めていく度に少しずつ表情が曇っていく。私が声をかけるとあの子の手前に持っていた大きな紙が後ろに消えて、くしゃ……。と紙の形が変わる音がした。
気を遣わせてしまったか……と思った私はカービィに向かって声をかけると、少し申し訳なさそうに後ろに持っていた紙を私に差し出してくれた。
「これは……。」
大きな少し厚手の紙に描かれた私とカービィ。仲良く手を繋いでいる私達の姿をクレヨンで描いてくれたようだった。
「……素敵な絵だな。力強さと優しさが絵から溢れ出しているぞ。」
私がそう答えるとカービィは表情を明るくし、満面の笑みと大きなジャンプで喜びを表現する。あまりにもその姿が可愛らしくって思わず
「この絵は……私が貰っても良いものなのか…?」と口に出してしまった。カービィは私がその言葉を言い終わるのと同時にこくこくと頷き、
「ぽよ!!」
と元気いっぱいの声で返事をしてくれた。
「ありがとう……大事にする。」
私はそう言いながら(この絵を入れる額縁は何が良いだろうか……。)と考えながら朗らかな気持ちと足取りでカービィを連れて弟子の二人の元へ戻ることにしたのだった。
裏に書かれた「めややいと、だいすき。」 という言葉に私が気付くのは、もう少