年の瀬年の暮れの大掃除!トッコリと一緒に部屋の掃除を終えたぼくは、ごみ袋を持ったまま村のゴミ捨て場に向かう。そこでもみんな大掃除で忙しいのかバタバタ動いていた。
そうだ!メタナイト卿のお部屋の掃除の手伝いをしてあげれば喜ぶかも!!
ぼくはそう思いながら彼の居るお城に向かって歩き出した。
「めややいと~。」
トントンとノックをして彼の名前を呼ぶ、どうやら僕の声に気づいたようでゆっくりと扉を開けてくれた。そこには普段は見ることのできない三角巾を頭につけているメタナイト卿が居た。
「どうした?カービィ。すまないが大掃除で今、忙しくてな……。」
ソードとブレイドと共に慌ただしく動いていたであろう彼の姿を見て、ぼくも何か手伝えたら…と思い「ぽよ!」と彼に気持ちを伝えた。
「……何?掃除を手伝ってくれるのか?…ありがたい。できる範囲で構わないからゆっくり休み休みやってくれると嬉しいかな。」
彼はそう言いながら新品の雑巾をぼくに渡してくれた。それなら……と思い、ぼくはそれを吸い込んでクリーンカービィに変身する。どんどん力が溢れてきて、彼の部屋の照明を優しくはたきで撫でるようにしながら沢山の埃を絡めていく。
「流石だな……カービィ。上から順に掃除をすることは理にかなっているからな…。」
彼はそう言いながら新しく仕事を見つけたようで、今までに溜まっていた書類の整理をする。いるものといらないものがあるようで、何度も目を通しては二つの箱に分類していく。その近くでは部下の二人が新聞や雑誌の束を縛っては指定の場所に持っていく準備をしていた。
「ぽよい。」
ソードに束ねる前の古新聞を少し貰って埃とりに使う。畳に濡らしてちぎった新聞紙を撒きながら箒で掃くと、少しきれいになったような気がした。
「「カービィ殿……すばらしい……。」」
二人に褒めてもらい、とっても嬉しくなる。そのままさっき落とした埃と共に塵取りで回収して大きなゴミ袋に入れていく。
「本来なら定期的に掃除をしなくてはならないのに……。ずっと戦艦の事で頭がいっぱいでしたから…。」
ブレイドがそう言いながら最後の雑誌を縛り終える。メタナイト卿も書類の整理が終わったようで、古紙をまとめた箱に蓋をしていた。
「……確かに。対ナイトメア戦に全力を注いでいたからな。来年はゆっくりと過せるだろう。ソードもブレイドも、好きな時に旅行にでも行くといい。」
どうやら城の仕事も落ち着いていて、給料も少し増えたみたいだった。二人は旅の行き先を考えたいな…と言っていて、その姿も楽しそうだった。
「めやは?」
ぼくは気になって彼に語りかける。二人が一緒なら、彼も一緒に三人で行くものだと思っていた。
「……私は…いいのだ。今まで頑張ってきてくれた二人にゆっくりと過してもらいたいのに私が居たらリラックス出来ないからな。それに……。」
「「「それに?(ぽよい?)」」」
思わず三人の声が重なる。
「…それに二人が出かけているその時は、元戦士団の者たちと久しぶりの交流でも良いかな……と思っていてな。」
彼の表情が綻び、ふにゃ…と笑う。その姿を見たぼく達は、彼のその目標を現実にしてあげたい…。そう考えながら互いに視線を合わせて頷いた。
「よし!!取り合えずひと段落ついたな。折角なので一度休憩にして、カービィは私と床拭きの手伝いを、二人は雑誌を資源の場所に出して今日は終了しようではないか。」
そう言いながら茶菓子を取りに行くメタナイト卿をぼくは目で追いつつ、いつもの指定席にちょこんと座ってお菓子が来るのを足をぶらつかせながらゆっくりと待つことにしたのだった。