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    こへ滝。

    #こへ滝
    smallWaterfall

    ふたつの心臓「フフーンフフーンフッフーン…」

    聞き覚えのある鼻歌を響かせながら、平滝夜叉丸は人もまばらな忍術学園の池のほとりを華麗に闊歩していた。
    教室のある校舎からは、小さく下級生の教科授業の先生の声が聞こえる。教えたはずだぁ〜!という悲しそうな声は、きっとアホの1年は組の土井先生だろう。

    (お可哀想に。私のような優秀な生徒をお持ちなら、あんな胃痛はお抱えになることはなかっただろう…。まぁ、この滝夜叉丸のような天才がそう何人も居るわけはないから仕方がない。天才がいるからこそアホが目立ってしまうのかもしれない。あぁ、なんて私は罪深いのだ。罪深い私…最高だ)

    少年は、思わず眉間に少しだけシワをよせる。それから、ハッとしてすぐにいけない!と人差し指でそれを抑えた。どこかで伝えきいたところによると、シワは癖になるらしい。
    池に自分の顔を写して、変わりないか確認する。
    正面、よし。右側、よし、左側、もっとよし。変わらず、いつも通り輝くように美しい顔だった。あー、よかった!
    ほっと息をつくと、滝夜叉丸は顔をあげてまた歩き出す。

    「しかし、今日はこの後どうするか…」

    そもそも、本来であれば、いまは授業時間である。
    優秀な滝夜叉丸は、同級生よりも一足…いや三足先に実習を完璧に終えてしまったので、鐘のなるまえにランチを終えてしまい、若干手持ち無沙汰なのだった。

    別に、やること自体はたくさんある。
    こっそり筋トレをしようか、先程の授業の復習でもいい。それとも、改めて戦輪の稽古か…はたまたスーパースターに憧れるみなのために美しすぎるポーズでの新作ブロマイドを制作するのがよいのかも…。
    あぁ、それにしても、この齢にして完っ璧な身のこなし、完っっ璧な相貌、完っっっ璧な実力、完っっっっ璧な私……と、滝夜叉丸が脳内でいつものそれを並べ連ねはじめたところで、正面から、誰かが走ってくる。砂ぼこりを高く巻き上げながら近付いてくる姿は、間違えようはずもない。

    「いけいけどんどーん!!」

    この決まり文句を聞けば、顔を見なくてもそれが誰かは一目瞭然であった。

    「おや、七松先輩」

    委員会直属の先輩なので無視するのもどうかと思い、聞こえなくてもいいか、という声量でぽつりと呟くと、移動していた土煙が滝夜叉丸の目の前でピタリと止まった。

    「おー!滝夜叉丸ではないか!」

    相変わらず、顔を泥まみれにした委員会の先輩が大きな口で笑う。

    「お疲れ様です、七松先輩」
    「おい、私は疲れてなどいないぞ!」

    むっとしたように小平太は言った。慌てて滝夜叉丸が弁明する。

    「いや、お疲れ様ですというのは常套句と言いますか、本当に先輩がお疲れだと思って言っている訳ではなくてですね…」

    ブツブツと返す言葉を、小平太は無視した。

    「それはそうと、滝夜叉丸は何をしていたのだ。学園中をぐるぐると回っていたのに、他の4年坊主は見なかったけど」
    「私の優秀さをお忘れですか!他の者より早く美しく実習を終えましたので、食事なども全て済ませ、これから何をしようか思案していたところです」
    「そうか」
    「先輩は、今日も今日とて有り余る体力で鍛錬されていたのですか?」
    「うむ、そうだ。お前の言う通り、今日も今日とて有り余る体力で鍛錬していた!」
    「さすが、この私の所属するにふさわしい委員会の花形!体育委員会委員長七松委員長!」

    前髪をかきあげながら、なぜか小平太を誉めて自分がふふんとカッコつける後輩に、ふぅんと顎を撫でた男は思いついたように手を打った。

    「では、お前は今暇なのだな」
    「え…いや、暇というわけでは…」

    どんぐりまなこでじっと見られて、滝夜叉丸の背中にいやな汗が伝う。この無茶苦茶な先輩が何を言い出すかわからず、身構えた。

    「どうだ?今日は委員会活動もないし、二人で鍛錬をしようではないか!裏裏山まで、いけどんマラソン上級生バージョンだ!」
    「へ? 上級生バージョンって何ですかァ?」

    普段のとりすました顔が、悲痛な年相応の顔に崩れた。よし行くぞ!と返事をする前に強引に手を引かれたからである。

    「あぁっ先輩ぃ!私、いいって言ってないんですけどぉ!?」
    「細かいことは気にするな!いけいけどんどーん!」
    「あぁあああ〜!?もー、イヤ!」

    半ば引きずられるように、平滝夜叉丸は、七松小平太と裏裏山まで出発した。
    とても、"らしい"やりとりだった。





    新緑の季節である。
    人に溢れている忍術学園から1歩出て山中に入れば、肺の中は若草の匂いで満たされた。その中を駆ければ、なおさらだ。

    影、光、影、光。

    堂々と生い茂って葉を伸ばす木々の間をすり抜けたり、駆け上ったり、飛び移ったりしていくたびに、木漏れ日で視界が晴れたり暗くなったりして、目がチカチカした。
    今日が曇りだったらよかったのに、と滝夜叉丸は少し顔を顰めたが、残念ながら空はピクニック日和のピーカンである。

    小平太がいうところの、いけどんマラソン上級生バージョンであるが、ようは下級生たちとガムシャラに走るのとは違って、身のこなしの技術がある者ができるだけ痕跡を残さぬよう、素早く移動する鍛錬のことだったらしい。

    人を誘った時のやかましい様子が嘘のように、小平太はただただ集中しているように見えた。
    追う背中は、先程まで土にまみれていたというのに、この鍛錬中はほぼ音も出さず、もとの汚れ以外は身綺麗なままで一定のリズムを保ったまま進んでいく。上級生バージョンなどと言いながら、きっとまだ余力が残っているに違いない。

    七松小平太という男について、滝夜叉丸はよく知っているという自負がある。
    ただし、それは学園内の他の人間よりもよく知っているというだけの話であって、本当の意味でこの先輩のことを分かっているのかどうか、という話ではない。

    現に、今のこの鍛錬も、単に小平太の気分なのか、それとも自分のような後輩に合わせてわざと汚れないようなものを選んでいるのかも、よくわからなかった。
    この4年間。必死に努力し、さらに体育委員会で食らいついて過ごしてきた結果、滝夜叉丸は先輩の背中を追いながらも何かを考える余裕まで持てるようになった。というより、背中を追いかけることに必死すぎて、目の前の背中以外のことは考えられない時がある。
    自分の自信への不安や、どこか拭いきれない寂寥感、そんなことを考える暇などないくらい、目の前の背中を追いかけるのに必死で、その時はそのことだけを考えれていればいい。

    光、影、光、影。

    立派な枝ぶりの大樹の影の中。一瞬、小平太の髪が日光に照らされて、まぶしく光った。
    ふと、この背中をいつまで追いかけていられるのだろう、という余計な考えが頭をよぎる。
    その瞬間、まずい、と滝夜叉丸は思った。少しだけ出すのが遅れた、と思った右足。春に芽吹いた若芽が滝夜叉丸の足先に触れて、それが枝に伝わる。風ではない不自然な木の軋みで、揺れた葉がかさかさと音を立てる。

    見えていた背中が消えていた。

    「こんな事ではすぐに敵に見つかるぞ、滝夜叉丸」
    案外落ち着いた声がして、少年は背後からいきなり抱え上げられた。

    こんな距離のとられ方をしたら、実戦であったら確実に死んでいるだろう。
    それなのに、滝夜叉丸は両脇に差し込まれた手の体温と同じくらい、自分の頬が熱くなるのを他人事のように思った。





    「私が言うのもなんだけど。お前って少し抜けたところがあるから気をつけた方がいい」
    「はい…お返しする言葉もございません」

    少し休もうと、若干拓けた野原にふたりで腰を下ろすなり、小平太はごろんと寝転がって言った。

    「まぁ、これからこれから!細かいことは気にするな!ははは」
    「…先輩は、まだ体力が有り余っていらっしゃるんですね」
    「うーん、まあ。お前もあと2年でこれくらいは造作もなくなると思うけど」
    「そうなんでしょうか」

    寝転がった男の横で、滝夜叉丸はちょこんと小さく体育座りをする。
    後輩のお尻のあたりと、先輩の腰のあたりが、じんわりくっついたまま、二人ともその位置を動かなかった。
    小平太は普段はまんまるの目を半円にして、顎のラインと耳、その奥に髪の毛が風になびいてゆらゆらしているのを、ぼんやり見つめた。この後輩の、数年前は丸々としていた頬。今はかなりシャープになった。単純に、成長したなあ、と思う。
    そういえば、まんじゅうみたいで旨そうだったから、こいつが一年生の頃、委員会で眠さが頂点になった時に食べ物と間違えて頬に噛みつき、痛いと大泣きされたんだった。

    「ふはは」
    「…何がおかしいのです」
    「昔のお前のことを思い出していた」
    「どういう事ですか」

    七松先輩のおっしゃる事は時々意味が、とか何とか、ぶつぶつと喋るたびに髪が揺れるのが妙に気になった。その手前にある耳は、さっきよりも赤くなっている。
    自分がいくら鈍感だからといって、忍者を志している時点である程度のことは気がつける。

    「なぁ、疲れてるなら寝っ転がったらどうだ。ちょっと昼寝でもしよう」
    「疲れていません!これしきのことで!この滝夜叉丸をみくびられては…」
    「じゃあ、さっきよりもスピードを上げて裏裏裏山まで行くぞ!」
    「うええ…」
    「ほら、やっぱり疲れてるんじゃないか」
    「…いやー、何というか、このへん小石がゴロゴロしているといいますか?」
    「なんだお前。贅沢なやつだな」

    よいしょ、と一度体を起こす。滝夜叉丸を背後からぐっと持ち上げ、そのまま自分の上に乗せてやる。

    「ななな、七松先輩!?」
    「ほら、私が布団になってやるから仰向けに寝ころがれ!石よりはマシだろう」
    「えぇぇ…そんな滅相もないといいますか…申し訳ないと言いますか…」
    「ほらほら、遠慮するな」
    「ううん…では…」

    もう、言い出したら聞かないんだから…などとぶつぶつ言いながら、わりと大人しく滝夜叉丸は小平太の上に仰向けに寝そべった。突然の提案に驚いたが、なんというかこれは、単純に太陽がまぶしい。

    「…先輩、もしかして私のことを日除か何かだと思われてません?」
    「まぁ、そんなようなもんだ」
    「勝手ですねぇ、もう〜…」

    文句を言うふりをして、滝夜叉丸はゆっくり瞼を閉じた。
    先ほどよりも地面と近いからか、青い元気な草花の匂いがむせかえるようだった。
    鳥の声と、風に揺れる葉のぶつかり合う音と、小平太の心臓の音が聞こえる。
    はじめは緊張していたが、胸の上下する調子に自分の呼吸を合わせていると、ふたりの心臓の音が同じ速度になってまざっていくのがわかった。





    滝夜叉丸はこの先輩に、こうして、時たま二人きりで外に連れ出されることがある。
    別に、何かやましい事があるわけでもない。もしかして、”そういうこと”があるのかと緊張していた事もあったが、どうやら"そういうこと"でもないらしい。ただ、連れ出された時はこうして、背後から抱きすくめられた。正面からされた事は、ない。

    なんというか。
    小平太は、多分滝夜叉丸のことを好いている。
    それで、滝夜叉丸の方も、小平太のことを好いている。

    口には出さないが、何となく他のものとは違う視線というのは気がつくもの。それが、忍者を志す者であれば、なおさらだ。

    だから、滝夜叉丸はいつか聞いた、慕い合う生徒同士がするという、肌をさらして抱き合ったりだとか、もっと先の触れ合いのような事を思わず想像してしまう事があった。そして、想像しては、「あーっ!」だとか「いーっ!」だとか、突然いてもたってもいられず夜中に大声で素っ頓狂に叫び出し、寝ぼけた喜八郎に踏鋤で殴られたこともある。
    だけど、ない。全くない。全然ない。カケラもなかった。

    これが、並の女…いや男でも。きっと勝手に落ち込んで、うだうだ落ち込み、諦めてしまうところであろう。
    しかし、滝夜叉丸は違った。
    なんといっても、滝夜叉丸は滝夜叉丸なのである。

    そもそも、少年が自信家なのは、本当に頭が良く、実力があるからなのだった。
    最近、二人きりで連れ出されて背後から抱きすくめられる時、いつもそれが野外で、小平太が汚れている時に限ることだと気がついた。
    そうして、一瞬だけ誰にも知られないように落ち込んだあと、やっぱり先輩にとっての自分は特別な存在なのだと、思っている以上に想われているのだと、胸が満たされた。
    ただ、触れられないことを思うと、布団の中で涙が一粒だけぽろりと落ちた。でも、誰も見ていない涙は、流していないものと同じだ。天才の努力を皆が知らないのと同じである。
    だから、滝夜叉丸は小平太とのことで、涙を流した事は一度もないのだった。





    「七松先輩」
    「んー?」
    「私、うつ伏せになってはいけませんか」
    「だめだ」
    「だめですか」
    「うん」
    「このままじゃ、眩しいのです」
    「いつも輝いてるだとか光っているだとか、何とかかんとか言ってるのは自分だぞ」
    「何をおっしゃいますか。それは私自身が光っているのであって他の光に私が…」

    冗談のように続けるつもりが、小平太が深呼吸して、滝夜叉丸の髪に触れた。

    「ずるいですよ」
    「何が」

    小平太は滝夜叉丸の匂いをこうしてずっと刻みつけている。のに、滝夜叉丸は、小平太の匂いを知らない。先輩と近しい時にする香りは、土の匂い、草の匂い、水の匂い、その他いろいろ、他にもとって変えられる何かの匂いだった。
    だから、小平太自身の匂いを、滝夜叉丸はついぞ知らない。

    学園を卒業して、お互いに何をするのかはわからない。忍者なのだから、姿形は変えられる。それでも、唯一、自身の本来の香りを隠すのは難しい。
    だから、もしかしたらのいつかの時、滝夜叉丸が何も知らないままでいられるように。躊躇しないように。少しでも生きて帰る可能性を、だとかなんとか、みなまで言わずとも、そういう事なのだろう。

    「お前、どんな時も躊躇するんじゃないぞ」
    「この私が?しませんよ、そんな事」
    「する。お前は、こう見えて心根が優しい奴だ」
    「しません」
    「する」
    「……先輩はしないんですか。私に手加減するなんて無礼なことはしないでくださいよ」
    「吠えるな。私はしない」
    「本当ですか?」
    「…多分」
    「なんですかぁ、多分って。はは…」

    思わず苦笑する。
    どうせ今のところは敵わない。
    実力をつけて、背中を追いかけて、引っ捕まえてやるまではこれで我慢してやっている。
    滝夜叉丸は、だまったままゆっくり瞳を閉じる。

    私は、七松先輩が私に触れている時の顔を知らない。
    私は、滝夜叉丸が私に抱きしめられている時の顔を知らない。

    ふたりとも、結局お互いのことは何も知らなかった。
    ただ、何も知らなくても、この心臓の音だけは嘘をつかないのも本当だった。

    少しだけみじろぎすると、頭をのせた硬い胸で自分の髪がさらりと散る。背中に感じる鼓動が、少しだけ速くなった。それを感じて、もうひとつの鼓動も少し速くなる。
    一言も発してはいないのに、小平太は滝夜叉丸の左の胸に手を当てた。だから、同じようにゆっくりを息を吸って、吐いた。鼓動がまた同じように重なる。
    相手が誰かなんて知らなくても、わからなくてもいい。

    ここにはただ、ふたつの心臓があるだけだ。





    どのくらいの時間が経っただろう。
    ふいに後輩をのせたまま、がばっと起き上がった小平太は、滝夜叉丸に向き合う瞬間、いつものような無頓着な笑みを浮かべた。

    「そろそろ戻るか!」

    だから、滝夜叉丸もいつものように傲慢な笑みを口元に湛えて、わざとらしく髪の毛を優雅にかき上げ言った。

    「そうですね。戻りましょう」





    「えーっ滝夜叉丸先輩…昨日、七松先輩とお二人で鍛錬されて来たんですかぁ?」
    「うむ」
    「どのくらいにお帰りに?」
    「…風呂の終わるギリギリ、手前あたりだ…」
    「あぁ〜…それは…災難でしたね…」
    「わかってくれるか…金吾…!」
    「どうしてそんな事になっちゃったんですか?」

    翌日の委員会活動の時間。
    金吾が可哀想に、という表情を隠しもせずに顔をクシャクシャにした。

    「いや、それが早めに授業が終わったのでな。私が新作ブロマイドを制作しようかと思案していたところに七松先輩が偶然いらしたのだ。…すまない、それがなければ私の美しくて神々しい素晴らしい新作を、今日にでもお前に一枚用意することができたというのに…」
    「…あ、やっぱ一緒に行ってもらってよかったかもしれない」
    「ん?何だと?それは一体どういう意味だ。えぇ?」
    「え、あ!おっとっとー?!あっ!ほら!時友先輩がいらっしゃいましたよ!ほらほら!時友せんぱーいっ!!」

    わたわたと金吾が駆けていくのをじろりとした目で睨んでため息をついたところで、突然に後輩二人の悲鳴が聞こえる。

    「七松せんぱぁいい!降ろしてくださああい」
    「よし!二人とも鍛錬を手伝え!下級生お手玉だ!」
    「はええええ、ぼく、目がまわりそうです」
    「いけいけどんどーん!あっはっはっは」
    「ひええええええ」
    「ほええええええ」

    いつものように、小平太が下級生二人をぶんぶん振り回して、大声で笑っている。

    「あぁっ!七松先輩!ふたりが怯えていますから!!お待ちください!!」

    慌てて駆け寄って、周囲をぐるぐると回り、慌てることしかできないのが情けない。
    今日も忍術学園は賑やかだ。

    「よーし、今日はこのまま塹壕掘りをしよう!」
    「ダメですって!今日は予算についてのご相談が…」
    「細かい事は気にするな!!」

    "らしい"やりとりに、下級生たちが思わず声を上げて笑った。
    小平太も笑ったし、滝夜叉丸はため息をついた。



    もしかしたら、いつか名前も知らない誰かになる。
    それでも、いつかのふたつの心臓が、小平太と滝夜叉丸だったことは、きっとお互いの心臓が覚えている。

    おわり
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