花が実るか、恋が実るか「どうどう?俺の作るケーキ、天才的だろい?」
「うわ、うっまそ〜〜!!いっただっきまーす!!!」
「うっ……あれもこれも食いてぇけど、今月はもうやべぇ……我慢するしかねぇか……」
「なぁなぁ!これのレシピ教えてくんね!?」
「なぁたのむよぉ〜〜奢ってくれって〜〜〜」
「アッノアサンき、きょ、今日はどうなさいますすすすか!、??」
食べることが大好きで、どんな料理もペロリと平らげる。かなりの大食いで、新しく見かけたレストランは必ず全メニューを制覇しようとする(数回に分けて行うこともある。無論、自分の食べられる量はわかっているので残すことはない)。
その由来のあだ名も多く、「カービィ」は可愛いもので「豚」「残飯処理」「ダイソン」「低燃費」など散々である。誰が豚だ!
食費が嵩むのかいつも金欠気味。食べ切れない時やお菓子が余った時などよく「それ食っていい?」と聞く。たまに強奪したり食い尽くしたりするので彼の動向には目を光らせた方がいい。
人助けを積極的にする分奢ってもらおうとする。良くも悪くも謙虚さが無いため、彼に奢る時は予め値段を決めておこう。
暇な時はよくフーセンガムを食べていて、ガムを常備している。頼めばくれるぞ。
よく食べる割に体力切れを起こしやすいので燃費悪いとよく言われる。
考え事をする時はつま先で地面を掘る癖がある。
上記の理由もあり、自炊していることが多い。外食で美味しい料理を食べた時は弟子入りをせがんだりレシピを教わろうとすることがある。
料理を作ることも好きで、特に得意なのはお菓子作り。将来の夢はパティシエで、今は専門学校に通っている。
「〜だろぃ」「天才的」など独特な口癖がある。
かなり惚れっぽく、当たっては砕けることがしばしば。暫くは落ち込むがスっと切り替えられる気前の良さもある。
彼が10歳の頃からの親友がおり、度々奢ってもらおうと画策しているようだ。親友は高校卒業後、家業を継ぐ形で花屋を経営している。
花恋も度々その花屋に挨拶に来るが、ある日その花屋に紺の髪をした青年を見かける。
なんて美しい顔立ち、神の最高傑作!麗しい瞳、艶やかな立ち振る舞い、全てが魅力的!!
───────運命だ……!
一目惚れした。
親友に問いただしたら、この店の常連らしかった。マ?
「頼む実!俺を!ここで!働かせてくれ!!」
好きな人に会いたい!話したい!と頼み込んだら、
「……お前は昔から惚れっぽいからな。
しかたがねぇ、夢叶えるまで置いといてやるぜ。」
と承諾。今は学校へ通いながら花屋でバイトをしている形に。
会う度に積極的に話しかけ、なんとか名前を覚えてもらったようだ。そんなこんなで、毎日楽しそうに過ごしている。就職先が見つかるまではとりあえず花屋にいるつもりらしい。
竜胆 実(りんどう みのる)
花恋の親友。甘えられたり頼られるとなんでも受け入れてしまう。優しさ故の苦労人で、親に頼まれて家業を継いだらしい。手先はあまり器用ではないが、継いだ以上は責任を持とうと花の手入れへの勉強を欠かさない。
生まれつき地黒で、右眼に眼帯をしている。目付きは鋭いが眉が緩やかなため優しそうな印象を与える。言葉尻はやや強めだが、頼れる兄貴分、という雰囲気もある。
肺活量、それに準ずる体力だけは誰にも負けない、と自負する程度にはある。あまり体力のない花恋のサポートに回ることも多い。
10歳の頃から花恋を見てきた。
彼が何度も何度も恋に落ち、当たっては砕けていくのを見てきた。
その度に慰めていたし、俺達は親友だって何度も言った。
花恋のことが好き。最初から。ずっと。
半人半魔。眼帯の下には口があり、萎れたものを食べる。普段は売れ残りの花を食べているが、人間の死体を食べることも出来る。しかし、彼の性格上の問題で人間を食べるのは避けたいようだ。(ちゃんと弔ってやるべきだろ)
花恋が失恋から立ち直るのが早いのは彼がその萎れた恋心を食べているから。落ち込む姿を見たくないからしているが、自分が好きな相手が他の人のことを想う気持ちを食べるのはやはり辛い。
半魔である自分と一緒にいるべきではないと思っているが、花恋を退けられずに親友に収まっている。
ノアがただの人間でないことには気づいているし、自分よりかなりの格上であることもわかっている。それでも、花恋に危害が加わるようなら、と覚悟は決めている。
尚、ノア自身は自分に惚れるより2人がくっついたらいいのに……と思っている。