俺だけの男セックスをする度に、思うことがある。
真っ赤に染まった体躯。潤んだ瞳。漏れる吐息と甘い喘ぎ。それらを全て真正面から受け止めて、どうして俺は正気でいられるんだろう。普通こんなの正気じゃやってられない。顔を合わせるたびに、会話をする度に、体を重ねるたびに、俺の中の花道への愛が大きくなって、毎回俺を狂わせる。
「なあ、……なあ」
「ん、ぅあ? あ、かえ、」
「なあ、オメー何で、そんな可愛いの」
「……あ?」
「可愛い。他の高校ン男もみんな、オメーのこと可愛いって思ってる」
「……何、言ってんだ?」
「ハナミチ」
ヒュッと零れた吐息は俺のものか、花道のものか。気づけば、俺の手が花道の太くて逞しい首に添えられていた。添えて、どうしたいんだろう。どうしたい? こんな事をしておきながら、答えがわからないなんて滑稽すぎるだろう。
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