地下鉄 いつも通り、薄暗い地下鉄のホームを歩く。ガラの悪そうな人の隙間を通って奥まで行けば、彼はいつも通り気怠げに柵に寄りかかって目を閉じていた。
「師匠〜!遊びに来ましたよ」
「なんだ、お前かよ」
「なんだは酷くないですか?」
そんなやり取りをしながらすぐ隣の柵に腰を掛ける。師匠は特に気にするでもなくスマホを片手でいじっているので、俺がいることに大分慣れたんだな、と少し嬉しく思いつつ。
悪戯心で頭を撫でれば、少しうざそうにこちらを睨んでから、それでもやめろとは言わずに撫でさせてくれたので思わず微笑む。
「ここは相変わらず賑やかですね」
「それがいいんだろ。一般人は滅多に近付かないし、変なやつが来ても遠慮なくぶっ潰せる」
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