失恋二人 結局、文次郎らしくない制服姿は一日で終えることにした。次の登校からは胸元までボタンを留め、スカートは膝丈と元の着こなしに戻すつもりだ。
ブラウスとプリーツスカートだけのシンプルな夏服では、ウエストで巻いたり引き上げてベルトで締めて丈を短く見せることができない。裁断するしかないのだが、校章が裾に刺繍されているので服装検査で見つかれば違反になってしまう。安くはない制服だ。一度切ってしまえば元に戻せない。
あのひどく短い丈のスカートは、入学が決まったとき近所の卒業生にお下がりで貰ったものだ。履くことはないだろう、と箪笥の肥やしになっていたのだが活用することができた。
制服も留三郎との関係も元通りといえよう。
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