渇き──わかっている。
ヴァラダは理性の奥でそう思っていた。
目の前にいる男は何も言わず、ただ黙ってヴァラダを見ている。挑発でも誘いでもない、ただそこにいるだけだという顔をして。
だが、それがどうしようもなく腹立たしい。
こんなにも喉が渇いているのに。
今までずっと、欲しがらなかったわけではない。求めなかったわけでもない。ただ、それを表に出せなかっただけだ。言葉にも、態度にも、どうやっても落とし込めずにいた。
だが、今は違う。
ヴァラダは衝動に突き動かされるままに、デーヴァの肩を掴んだ。
デーヴァは微かに目を細めたが、抗わなかった。驚きもせず、当然のように受け入れる。まるで最初からこうなることを知っていたように、余裕すら感じられるほどだった。
1969