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    timaki240917

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    timaki240917

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    レグルスの気持ちが知りたくて酔わせて本音を聞き出そうとするラインハルトのお話
    IQ激低

    #ライレグ
    #ラレグ

    お酒を飲むラレグ ラインハルトとレグルスは交際している。

     初恋は叶わないと聞くが、初めて出来た想い人と恋人になれた自身の幸運にラインハルトは感謝していた。
     それまで恋なんて感情を抱いたことがなかった。だから、抑えられない衝動とレグルスを求める欲が頭の中で渦巻き暴風雨が暴れるような、そんな制御できない自分を目の当たりにするのも初めてのことだった。
     余裕も駆け引きもありはしない稚拙な僕の告白を、レグルは受け入れてくれた。
     とても嬉しくて、しばらくは朝起きるたびにあれが夢ではなかったかの確認を行なっていた。この出来事を僕は生涯忘れないだろう。
     しかし、常に不安でもあった。自分たちの想いが吊り合ってはいないことに。

     彼は僕の想いを受け入れてくれる。僕の言葉を受け止めてくれる。僕の行動を否定しないでくれる。
     けれども、彼から何かが返されることはない。

     付き合えるだけで幸せだなんて最初は言っていたのに、僕は随分と欲深くなってしまったらしい。情けない。
     そうして嫌な想像ばかりが膨らんだ。
     僕がしつこいから、仕方がなく交際しているのかもしれない。
     断りにきれなくて、本当は迷惑に思っているかもしれない。
     本心では、僕を鬱陶しく思っているのかもしれない。

     よほど陰鬱な雰囲気でも出していたのかスバルに悩みがあるのかを聞かれ、相談してみたところ、彼からこんな作戦を提案された。
    「酒でも飲ませて酔っ払わせて、本音を聞き出してみたらどうだ」
     本来ならば、こんな騙し討ちのような真似するべきではないのだろう。
     だが僕は知りたかった。平時では決して話してはくれないだろう、レグルスの本音が。

     まさか、こんなことになるとは思ってもみなかったんだ。


     あまり酒に良い印象がないのか最初は渋られたが、レグルスは僕の用意した酒を気に入ったようで、かなりのスピードで酒を進めた。
     普段から甘いフルーツのジュースを好んでいるからきっと好きだろうと思ったけど、あっていたようだ。・・・・・・実はかなり度数が高いのだけれど、それは今は告げなくてもいいだろう。

     1杯目を飲み切ったあたりで様子がおかしくなり、今では完全に酔っ払っている。
     すっかり酔いが回って上機嫌になって、

    「ふふっふへへ、ラインハルトぉ」
    「ね、ラインハルト、ねえ」
    「ラぃンハルト、ぁインハルト、ラインハぅト、んふふふ」

     僕の腕にしがみつきにこにこと僕の名前をひたすら呼び続けていた。

     まさかレグルスがこんなに酒に弱くて笑い上戸だったなんて…!

     あまりにも可愛らしい。愛らしすぎる。崩壊しそうな理性を、奥歯を噛み締め耐えさせるので精一杯だ。
     甘さを含んだ舌足らずな声で名を呼ばれるたびに、脳が痺れ腰が重くなり、彼を押し倒しその身に噛みつきたくなる激情に駆られる。
     他者を知らない白く美しい肌を蹂躙し、見えるところにも見えないところにも僕の証しを刻み込みたい。濡れた薄い唇をこじ開け、口内を舌で掻き回せば、この世のどんな果実よりも甘美な味がするのだろう。
     想像するだけで唾液が溢れ、喉が鳴る。
     自分の中にこんな獣が、レグルスだけを望みレグルスだけを喰らい尽くすケダモノがいるなんて、知らなかった。いや、知らないふりをしていたんだ。彼に怯えられたくなかったから。

     だからこそ、今この衝動に身を任せるわけにはいかない。
     レグルスの本心を知り、彼とちゃんと向き合いたい。僕らが結ばれる夜が来るならば、その後のことだ。

    「・・・・・・レグルス」
    「んーなぁに? ふっふふ、ラインハゅト」
    「レグルスは僕のことを、どう思っているのか、教えてはもらえないだろうか」
    「ラぃンハ~ト、の、ことぉ? ふひ」

     ちょっと、酔っ払わせすぎたかもしれないな。どんどん僕の名前が崩れていってる。
     あと笑い方もさっきから可愛い。初めて聞いたよ、ふひって。

    「好き」
    「えっ!?」
    「すき、好きぃ、ふふふっラインハぅト、好きらよ、大好き、ぇへへ、しゅきぃ」
    「ぁ、・・・・・・僕も、僕も好きだよレグルス。大好きだ。君のことを愛している。君にそう言ってもらえて、とても嬉しい」

     ふわふわ夢見心地で笑い、僕のことが好きだと告げるレグルスを、耐えきれなくて胸の内に閉じ込めた。
     柔くて温かくて愛おしい。
     こんなに幸福なことがあって良いのだろうか。幸せすぎてどうにかなってしまいそうだ。彼の想いを疑い、不安になっていた自分が恥ずかしい。こんなにもレグルスは僕のことを好いてくれているというのに!

     腹の中の獣はいつのまにか唸りを納め、今度は高鳴る鼓動とあがり切った体温が僕を支配している。

    「ふへへ、しゅき、らいしゅき、あいしてーよァぃンはゅトぉ」
    「うん。僕も好きだ。大好きで、愛しているよ、レグルス」

     そうして僕らは、レグルスが眠りにつくまでずっと、強く抱きしめ合い愛の言葉を交わし合った。


    翌日


     頭が痛い悪寒がする吐きそうと苦しむレグルスを介抱しつつ、昨夜のことを尋ねた。

    「昨日、酒を飲みながら話したことを覚えているかい?」
    「はあ? なんのことかさっぱりわからないんだけど。僕が忘れているんだから、どうせくだらないことだろう? 僕の貴重な時間を無駄に消費するのはやめてくれるかなあ。それって僕の権利の、うっうえぇ」
    「あぁ、吐きそうならこの桶に」
    「う゛ー」

     うずくまり呻き声をあげているレグルス。本人が覚えていないと言うのなら、今はそういうことにしておこう。
     嘘を見抜く加護がなくとも察せてしまうほど紅く染まった耳を見て、僕は思わず溢れてしまいそうになった笑い声を飲み込んだ。
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