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    dom387676

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    dom387676

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    身体が硬すぎる☆の話
    (平安組)
    さーさんありがとうございます!

    前世から超絶完璧人間だったのだ。
    花のかんばせと言えるほどに完璧なパーツが完璧に配置された顔に
    痩せぎすな気はあれどもそれすら魅力的な長身痩躯
    知能だって知識だって僕がその深度を計りかねるほどには深く濃い。
    そのくせに奢らずにはんなりと「僕だってまだまだだよ」なんて笑いながら他人を慮る人間ではあるので

    (今回もできない事なんてない、か)

    それを残念に思うのは酷いことだろうか?
    それを恐怖に思うのは馬鹿らしいだろうか?

    馬鹿だと思われても構わないし、酷い人間なのは自覚がある。
    それはきっとあっちゃんも同じだった。

    (もう一度なんて、冗談じゃない)
    血濡れの身体
    何も知らされず、頼られず。
    ただ結果だけをもって『君たちは幸せになって』だなんてされた前世の二の舞はごめんだったから。

    だから先手必勝として手に入れる事にしたんだ。
    僕とあっちゃんは。

    「俺たちと結婚しろ」
    今生で巡り合ってから約2日。早すぎると思うかい?これでも僕とあっちゃんには遅いぐらいだと思ってる。だけどしょうがないタイミングが合わなかったんだもん。

    だけどさ、流石に3日目になるとダメだった。
    タイミングとかロマンチックとかTPOとかもうどうでもいいや、になった
    それよりも一刻も早く手に入れなきゃと追い立てられるように焦る心のままに
    僕たちのモノになって、と伝えたのは、ロマンチックさのかけらもない、卵の3パックと日用品を詰めたエコバッグのガサガサ音と遠くから聞こえるぴ~~~ぷ~~~なんて豆腐やさんの音色や遠くで聞こえる園児の鳴き声をバッグにしたただの帰り道。

    まぁ、僕たちのそんな感情なんて知ったこっちゃない晴明は冗談にしようとしたけどね。
    (そんなことさせやしないのに)

    「道満、君にしては面白くない冗談だね」
    「冗談じゃねえよ。なぁ、蘭丸さん」
    「そうだよ~~僕たちが言うことを全部冗談にするなんて、晴明君が薄情者過ぎて慰謝料請求したくなっちゃうよ~」
    言いながらも晴明が逃げられないように細い手首を掴む。
    (きっとこのチャンスを逃せば、明日には何事もなかったかのような顔をするのなんて分かってるんだもん)
    「急に求婚をされた上に逃げ道を塞がれ僕の方が慰謝料請求する権利があると思うんだけど?」
    「ははっ!慰謝料?いいぜ払ってやる。」
    「君の今の言い方だと慰謝料よりは身請け料になってそうなんだけど」
    「まぁね。お金で解決できるなら、いくらだって払うしねぇ。ちなみに分割払いもOKかな?」
    「急に求婚したり、君たちの金払いがよかったり。明日は大嵐だね」
    「あ~ん。酷い」

    まだまだ言葉遊びにしようとする晴明に往生際が悪いねぇと心の中だけで嗤う。
    きっとあっちゃんも同じだ。

    僕たちの大切なもの
    1000年の執着
    1000年の後悔
    1000年が終わって転生したのにたった一人に向けられる恐怖
    その根源なんて、愛でしかないのに

    「晴明。てめぇは俺たちが何を好き分かってんだろ?」

    いい加減に焦れたのだろうするり、と晴明の頬をあっちゃんの掌が撫でる
    瞳をそらさないように合わせながらも問えば

    「博打に女性にお金だろう」
    「言い切っちゃうのか~。だけど残念だねその解答は正解じゃないよ」

    ことりと小首を傾げる晴明に苦笑が零れる

    分からないのか
    分かりたくないのか
    (まぁ、どちらでももういいけどね)

    「君より好きなものなんて無いんだもん」
    「てめぇより、大事なもんなんてねぇんだよ」


    **********
    多分この後頑張って★を落とす満と烏はいます。ね・・・だれかください。

    **************

    と言うことで僕らの努力でついに!晴明君と付き合う事ができたんだよ
    ヤッタね!!!

    もう、本当に頑張った。
    手負いの獣を懐柔するがごとく、恋愛が分からないと宣う君の心の手当をしては「大好きだよ」「愛しているよ」と何度も何度も愛を囁いて、たまに押して駄目なら引いてみたら「僕に興味がなくなったのかい」なんて三歩進んだと思ったら四歩下がったを繰り返しながらも、それでも何度も何度も何度も何度もあっちゃんと僕は頑張ったんだもん!

    まぁ頑張った甲斐はあったよ。
    それこそあの頑張りのおつりがくるほどの幸福もね。
    僕の家の僕の部屋、そこで
    僕を座椅子代わりにして足の間に座ってあっちゃんに膝枕をしては、僕の書斎から持ってきた本を「ねぇ、朱雀。ここの解釈は・・・」なんて無垢に言ってくる君のぬるい体温が幸せすぎる。

    幸せ過ぎると、もっと先を望むのは本能としてはしょうがないよね?

    「ん~~~~」
    首筋に鼻を埋めながら、晴明君の匂いを胸いっぱいに吸い込みながらもするり、とシャツの裾から手を入れては脇腹を撫でる。
    別に一気に関係を進めたい、という心と大切にしたい心が戦ってるのなんて君は知りようもないんだろうけどさぁ。

    まあどちらかと言えば大切にしたい欲が勝ってるんだけど
    それでもちょっとはその素肌にふれたっていいでしょ。なんて言い訳までして触れた横腹に

    「ひゃっ」

    なんて声出すんだもん。

    (あ、あっちゃんも動き出した)

    膝枕をされていたあっちゃんがにやりと笑いながら、晴明君の腰を抱き着いたのを見て思わずアイコンタクトをすれば、にやりと歪む赤と白の瞳に僕の眼もきっと同じ形をしているのだろう。

    「ちょっと、なに?」
    「ん~?晴明が本ばかり読んじゃって寂しいのぉ~~~~」
    「俺らを構えっつってんだよ」

    言いながらも手は止めない。
    脇腹に足の付け根
    足の裏に、腋の下

    すーと指でなぞるだけで「ひゃ!」「やめ」「ん~~~~!」なんて嬌声にも似た声と滲む涙に流石に煽られ過ぎて、ぐいっと足を開かせれば途端に耳に飛び込んできた
    「痛い!!」という声に我に返される。

    「え?あ?ごめん大丈夫?」
    「あ?!悪かった!怪我はねぇか?」

    「無い…よ」
    「ごめんね」
    はーはーと僕の太ももの上までずり下がった晴明は呼吸を乱したまま答えるけど
    やらかしたのは僕たちだけど、それでも傷一つでもついていたら嫌だと、「嫌だ。触らないで」と暴れる晴明を上半身は僕、下半身はあっちゃんで制しながら「怪我でもしてたら大変だろうが」とあっちゃんと僕で触れたところを検分しようと足を広げさせれば「痛っ!」と響く声

    うん・・・
    傷はないね
    というか今のタイミングって傷とかじゃなくてさ

    「晴明くん?」

    バツが悪そうにそっぽ向いた晴明の顔を掴んで視線を合わせれば
    溜息一つと「バレたくなかったんだよ」と蚊の鳴くような声が聞こえた。

    *******
    「身体が硬い?」
    乱れた着衣を直して、ホットミルクを淹れて、
    『さあ、俺(僕)に何を隠していたのかな?』と圧をかければ
    誤魔化しは出来ないと悟ったのであろう晴明が明かしたのは身体の硬さであって。
    なんだそりゃ、と思うだろ。
    俺も思う。
    否、思ってたんだ。
    身体なんてそこそこ硬くても別に困りはしねぇって。

    だけど横で聞いては唇に指をあて考え込んでたクソ鳥が

    「ちょっとどれくらい硬いのか知りたいなぁ~」
    「秘密」
    「秘密っていってもさぁ。晴明は今見た感じだと結構硬いよね?んで、うちの学校の体育どうするの?単位落としたくないでしょ?」
    ふーっとホットミルク片手に頬杖を突きながらも痛いところを突く蘭丸に、たしかに
    晴明の経済状況を考えるのであれば学校の単位は必須であって(なんやかんやで奨学生をしなければ二人の弟を養えないのだから)

    両手でマグカップを持ちながらちょっとだけ悩んだ晴明はプラス面とマイナス面を考えたうえで「しょうがないね。…笑わないならいいよ」
    「笑うわけないでしょ!さ、まずは前屈からやってみようか~」

    なんてくそ鳥の軽いノリの宣言からは始まった晴明の身体の硬さどれくら~~い?は思った以上に散々すぎるとは思わねえじゃねえか。


    「こんな時どんな顔をすればいいのか分からねぇよ」
    「笑えばいいんじゃないかな?」
    「笑わないでっていったよね?」
    「むしろ笑えねえよ」

    床にマットレスを引いてからの俺は椅子に座って、朱雀は立ちながら見ていれば目の前で披露された前屈ではコの字もできず、なんなら頑張ってくの字になるのが精いっぱいだったり、開脚なんざ多めに見ても15度開いてるのすら微妙とか。

    チェアから降りて晴明と対面しながらも開脚(15度も開いてないソレ)に手を触れさせて顔を覗き込みながら「嘘だろ?」と言えば

    「嘘でもふざけてる訳でもないよ。これが限界だね」
    「マジかよ。」

    余りの身体の硬さが信じられずに(だってコイツはあの晴明だぞ?)
    思わずに足をグイっとすれば
    「痛い!」
    なんて頭にチョップ食らわせてくるし

    (マジかよ)と思って腕組みをして立っていた蘭丸を見れば
    (マジだね、こりゃ)と困ったように笑うから

    ・・・
    ・・・・・・・・

    うん
    まぁ
    俺たちも思春期なわけで、別にコイツと今すぐどうこう、なんていうのは…まぁ無くもねぇが。しょうがねえだろ!?こちとら1000年の片思い(前世)を経てのお付き合いな上に、そういった事にも旺盛な思春期だっつーの。

    だから
    まぁ、そういう時にコレは困るだろ?
    あと、足脱臼されても嫌だろ?



    「・・・とりあえず俺とコイツで特訓するからな」

    という事しかできなかった。


    ********

    数か月後↓

    「まぁまぁ、ここまで開くようになったんだから、あとは根性だよ」
    「君は1番根性からは距離置いてるタイプだよね??」
    「それはそれ、これはこれだもん。さ〜、もうちょっとだよ」
    「ちょ!力入れないでくれるかな?痛っ。道満、ちょ、、たすけて」
    「...」
    「ちょっと?何で顔赤くしてるの?!?」
    「ウルセェ。」
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