Meteor Shower 誕生日話2M
今日は特別な日だから。
だから、きっと時がお祝いしてくれたんだ。
「兄貴、誕生日おめでとう」
そう言うと目の前の彼は困ったように眉を寄せる。
彼が飲んでいるアルコールのグラスに映りこんでいる髪の色は鈍色で、慣れ親しんだハニーブロンドからはほど遠い。束ねている髪留めもキャメルの革紐だ。
どこで手に入れたんだろう、ブラウンを基調としたシャツは胸元をくつろげていて、旅装束とはいってもきちんと着こなしをしていた10年ぶりの再会時とも違う驚きを感じていてはいた。
「さっきも言ったが、俺はお前の兄貴でもないし、今日が誕生日でもないんだが」
それでも俺に向けた瞳は、俺と同じ色をしている。
良く通る芯の通った声は、否定の言葉をのせながらも弾んだ響きで答えたられた。
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