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    8Lady_Y

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    8Lady_Y

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    没になるかも知れないにょたの導入…

    何の変哲もない、静かな昼下がりの教室。
     ジェイド・リーチは、ペンを片手に魔法史の授業を受けていた。周りに聞こえるのはカリカリと紙面を走るペン先の音と、黒板に向かう教師の落ち着いた低い声。窓の外からは微かな鳥の囀りと、グラウンドから響く暑苦しい教師の声がほんの少し。実に穏やかな午後の授業風景だ。

     黒板の文字を目で追いながら几帳面な筆致でノートに書き付けていく。すると、背後からクラスメイトの大きな欠伸が耳に届いた。
     ── 24回目。ジェイドは頭の中に描いたタリーマークの羅列に、一本線を書き足した。最初は気にせず聞き流していたのだが余りにも繰り返し聞こえてくるので、退屈を厭う持ち前の好奇心は、彼がこの授業中に果たして何回欠伸をするのかを数え始めてしまったのだ。
     授業時間はまだ中盤に差し掛かったところ。なかなか良いペースです。さて、どこまでいくでしょうね。
     丁度、昼食を済ませた午後一の時間帯だ。心地好い満腹感と、ぽかぽかと窓から差し込む暖かな日差し。それに眠気を誘うトレインの平坦な声が重なれば、そうなってしまうのも致し方ないのだろう。必死に睡魔と戦っている彼には申し訳ないと思わないでもないが、どうせならこの好奇心が満足するほどの高記録を叩き出して貰いたい。そういえば、陸にはしゃっくりを100回繰り返すと死ぬ、という逸話があるそうだが、欠伸の場合はどうなのだろう。折角なら、その瞬間を実際に見て確めてみたいものだ。
     思考の傍ら、手持ち無沙汰に走らせたペン先がノートの端にカリリ、とクエスチョンマークを描くのを眺めながら、ジェイドは唇を撓らせた。

     さぁ頑張ってくださいね、目指せ100回です。と、ジェイドが何とも手前勝手な期待を背後の彼に送った、その時。
     いきなり響き渡ったけたたましい音が長閑な空気をぶち壊したと同時に、教室の扉が大きく開け放たれた。

    「ジェイドおぉぉっ!! どうしよう! オレのちんちんどっかいっちゃった!!」

    「…………は?」

     突然の無体を働かれた扉の嘆きを掻き消して、聞き慣れない高い声が、聞き慣れた口振りで自分の名を呼んだ。
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    8Lady_Y

    MAIKING没になるかも知れないにょたの導入…何の変哲もない、静かな昼下がりの教室。
     ジェイド・リーチは、ペンを片手に魔法史の授業を受けていた。周りに聞こえるのはカリカリと紙面を走るペン先の音と、黒板に向かう教師の落ち着いた低い声。窓の外からは微かな鳥の囀りと、グラウンドから響く暑苦しい教師の声がほんの少し。実に穏やかな午後の授業風景だ。

     黒板の文字を目で追いながら几帳面な筆致でノートに書き付けていく。すると、背後からクラスメイトの大きな欠伸が耳に届いた。
     ── 24回目。ジェイドは頭の中に描いたタリーマークの羅列に、一本線を書き足した。最初は気にせず聞き流していたのだが余りにも繰り返し聞こえてくるので、退屈を厭う持ち前の好奇心は、彼がこの授業中に果たして何回欠伸をするのかを数え始めてしまったのだ。
     授業時間はまだ中盤に差し掛かったところ。なかなか良いペースです。さて、どこまでいくでしょうね。
     丁度、昼食を済ませた午後一の時間帯だ。心地好い満腹感と、ぽかぽかと窓から差し込む暖かな日差し。それに眠気を誘うトレインの平坦な声が重なれば、そうなってしまうのも致し方ないのだろう。必死に睡魔と戦っている彼には申し訳ないと思わな 893

    8Lady_Y

    MAIKING今月中に書き上げたい気持ちを鼓舞するべく導入だけ…
    濡れ場ないけど暴力表現が割とある感じになりそうなので、年齢制限が悩みどころ…
    コチコチと秒針を鳴らす時計と、低く唸るような海流の音。
     深海の虚を思わせる真っ暗な室内から、備え付けのシャワールームへと繋がる扉を潜る。灯りはつけなかったが、足元に設えてある間接照明がぼんやりと空間に薄明かりを投げていた。
     簡易的な洗面台に備え付けられている鏡に向かうと、薄暗がりに浮かび上がるように佇む片割れと目が合う。左右で色の違う瞳が、どろりとした淀みを湛えてこちらを見返していた。
     こんな濁った色は貴方には似合いませんね。そんなことを考えながら、視線を逸らす。
     ターコイズブルーの髪を手櫛で雑に整えて、右の耳に浅瀬を思わせる色のピアスを下げる。チャリッ、と小さく響いた音はいつもなら愛おしく思うものであったが、今はこの胸に満ちたどす黒い感情を徒に掻き立てるだけだった。
     右手に持つマジックペンを軽く揺らして、鏡に向き直る。淡い灯りを反射して、ぼんやりと暗がりに光を放つ鏡面。つるりとしたその向こうに佇んでいた片割れは、淀んだ目をした自分自身に変わっていた。

     数週間前から始めた夜の徘徊も、これで何度目になるだろうか。ひっそりと寮を抜け出し、刹那的な享楽に賑わう夜の街へと向かう。 1424

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