ある日高明が車を走らせていると、風景に違和感を覚えた。いつも通っている道のはずだが。そういえば車も自分以外走っていないような…。気味の悪さに車を止め、外に出ると「そこの」と声をかけられた。見知った声だった。振り返ると、そこには着物を着た弟が立っていた。
「景光…?」思わず名前を口に出すと、弟に似た人物は首を傾げた。「誰と勘違いしているか知らないが、それは俺では無いよ」先程は"何故か"気付かなかったが、よく見ると狐のような耳と九尾の尻尾がついている。「君は…」「アンタは見たところこちら側に迷い込んできたようだ」「こちら側?」「彼岸ってこと」まあ、ここは狭間だけれど。と狐の男は言った。男は高明をじっと見て、「ついてきな」と歩き出した。言う通りにすべきか決めあぐねていると、「そこにいたって帰れねえよ」と急かされ、とりあえずついていくことになるんすよ!!今さらですが、えっちなはなしではないです。
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