⭐️の記憶があった☀️「そういえば、昔、道満もあんな時期があったよね」
とある昼休み、たまたま屋上で鉢合わせた晴明くんは校庭にいる生徒たちを見ながらぽつりと呟いた
「……は?」
「あ、ごめんなさい!今の忘れてください!」
「ちょ、ちょ、いや、どういうことか説明なさい」
「独り言なので!」
「ガッツリ道満って言ったじゃないですか!」
「言ってないです!ごーまん、そう、傲慢な時期もあったよねって」
「誰が傲慢だ!!!!」
「どう足掻いても君になるのどうにかならないかい?」
口調が"もどった"
つまり____
「はるあきくん、いや、お前はせいめい、か…?」
「……違います」
「いいや、お前は晴明だ」
「違いますって、なんで断言するんですか」
「答えろ、晴明」
はぁ、とため息をつく。
次の瞬間、その表情は1000年前と同じ、薄ら笑の表情で
「道満、僕ははるあきだよ。せいめいはもう死んだんだ」
それはつまり、答えでもあった。
___後日
「晴明、あの笑顔はダメだ。もう少し抑えろ」
「晴明、また怪我したのか?チッ、GPSに録音機能つけるか…」
「昨日1人でどこ出かけてたんだ晴明」
「教員寮は狭いだろ?俺の家に家具運んどいたぞ」
せいめい、せいめい、せいめい、……
「いい加減にしてくれませんか」
「は?」
「僕はせいめいじゃなくてはるあきです。あなたのライバルじゃないんですよ」
「あの晴明が俺の部下だって言う事実がやべぇ」
「話聞いてくれないかな……」
はぁ……と何度目かも分からないため息をつき、いつの間にか道満の家に運び込まれた自身の寝具の上で膝を抱える。
「その格好かわいいから俺の前だけでしろよ」
「どういうフィルターがかかってるんだい」
サッと晴明の後ろに周り、抱きかかえるように座る道満。グリグリと自身の頭を晴明に押付けては、ムフー、と満足気に笑っている
「1000年前じゃ考えられないくらい甘えたになったねぇ」
「るっせ、1000年の煮凝り舐めんな。押し倒すぞ」
「 どうしてこうなった…」
晴明は1000年という期間を侮っていたようだ。
「そういえばお前、いつから記憶あったんだ?」
「最初から」
「は?」
「君がうちの神社に初めて来た時も覚えてるよ。子供の前で泣くとは思わなかったなぁ」
「ないてねぇし!てかずっと記憶あったなら言えよ!!」
「だってこの時空ではせいめいは必要ないでしょ。」
キョトン、と必要ない宣言をかます晴明。
そうでしょ?と首を傾げながら話を続ける
「だってせいめいはもう死んだんだ。僕ははるあきとして過ごすべきだって思ってるからね。だから君にも言う気がなかったし、それでいいと思ってたんだよ」
ふふ、と少し自虐気味に笑いながらそう言ってのけた。
「だから、君ももう、せいめいは過去だと思って割り切ったら___」
「ふざけんな」
「え」
晴明の体がぐらりとゆれ、押し倒される。
道満はくしゃくしゃに顔を歪めながら晴明に言葉をぶつけた
「っ、おまえは!!!おまえだろうが!!!せいめいでも、はるあきでもある、どっちも同じだろうが!!!なんでせいめいが死んだからってお前の記憶も、体験も、精神も殺そうとしてんだよ!!」
「どうま、」
「なんなんだよ、いつもいつもいつも!!肝心なことは話さねぇで!!!前回だって、今回だって!!!!覚えていたのに、言わないつもりだったとかそんなの」
「お前を1000年待ってた俺に失礼だろうが…」
ぐしゃぐしゃな顔で晴明の胸に顔を埋める。
……そっと頭に手を置き、少し観念した表情で話しかける
「……ごめんね、道満。ずっと君の気持ちは無視してたね」
「そうだぞ」
「これからはまぁ、考えを改める努力はするよ」
「努力じゃなくてやれ」
「でも僕ははるあきでもあるから、ずっとせいめいではいられないよ」
「どっちもお前だし、全部俺が貰うからいい」
「……ん?」
「もう逃がさない」
そう言って道満は、僕のことをアザができるくらいに抱きしめてきた。
あっちゃーーーーん!!!!
元神様が酒をパクリに来るまで、あと少し_____