⭐️の記憶があった☀️6「クソ中のアホ!!!!」
「んだとカス太郎!!!」
「人の名前も呼べへんのかバカ!!」
「お前こそ人のこと言えねえだろうが!!」
ガッシャーンと概ね職員室から聞こえていい音ではない物が鳴り響いた。
何が発端かは分からないが、恐らくどうでもいいことで火がついてしまい、職員室は半壊状態となっていた。
どうにかしようとあわあわとしている晴明だけが残り、ほかの先生は既に逃げ出していた。
「も、もう!2人とも落ち着いて!」
「あぁん!?だってこのバカ中が!!」
「んだとお前が原因だろ!」
「もういっぺん殴ったろか!?」
いっぺんどころかか2片3片も殴り済みである。
さらに取っ組み合いが始まってしまい、もはや晴明の腕っ節のみでは対応ができなくなっていた。
「もー!2人とも、めっ!」
そんな晴明の声も届かず、ヒートアップする2人。
そして、とうとう2人は晴明の逆鱗に触れた。
そう、それは貸し出し用で職員室に置いてあるセーラー服が喧嘩した2人に巻き込まれ、少し汚れてしまったのだ。
「ねぇ」
ヒヤリとした空気が場を覆う
急に変わった空気に、2人はばっとその空気を発している晴明へと顔を向けた。
「君たちが喧嘩するのは別にいいのだけれど」
「そのせいでセーラー服が汚れてしまったじゃないか」
絶対零度。そして
「もっと騒ぐなら、僕も混ぜてもらおうかな」
にっこりと、でもはるあきの時とは違う、まるでせいめいのような作り笑顔で言い放った。
神酒と秦中はピタッととまり、さっと正座になおり、ガンッと自身の額を地面にぶつける
「「ッスィヤセンッシタァ!」」
「それは何について?」
「俺らが騒いだり職員室めちゃくちゃにしたり」
「関係ない方々に迷惑をかけた事、セーラー服を汚した事です!!」
全力の大人の土下座。
「もう、次やったら僕が化かしてしまうからね」
ムッとした顔で両手で狐を作り、コンコンっと効果音が着きそうなポーズでそう言い放った。
「あざとい…」「かわええ…」
2人は何で喧嘩していたのか全てを忘れた
そして、それは職員室の入口にいた神酒と秦中を叱りに来た学園長にも被弾した。
そんな現場にいた人たちをよそ目に、晴明は素早くセーラー服を洗いに職員室の外へ向かっていった
___
「おい」
「何?」
「さっきのあれ、なんだ」
「あれ?」
道満と晴明(とマンドラゴラ)しかいない屋上にて、道満は晴明に詰寄る。
心情を表すがごとく、晴明のアホ毛は?になっていた。
「ほんとになんのことかさっぱりなんだけれど…」
「だからこう、こういうの……」
道満は先程の晴明がやったように手を狐の形にして見せる。
それをみた晴明はあぁ、と少し納得したように頷く
「昔の名残?みたいな…。別に気にしなくていいよ。」
「は?」
「なんでもないよ。本当に」
誤魔化すように、ふいっと道満から顔を背ける。
それ以上は何も言ってくれなさそうだった。
が、そこで止まる道満ではなかった
「誤魔化すなよ、化かすってなんだ?狐となにか関係があるのか?あとあのポーズあざとすぎるからやめろよ俺の前だけでしろ」
「問い詰めるのか要望を伝えるのかどちらかにしなよ」
「可愛いから俺の前だけでしろ」
「そっちが勝つことあるんだ」
えぇ……と少し引き気味だった。
「お前がひみつが多すぎることについては今更だからな。どうせこれから数千年過ごすんだからゆっくり話してもらう」
フン、とそう言い放つ道満。
そう、と相槌を打ったところでん?と晴明は疑問に思った
「僕が生きるのはせいぜいあと60~70年くらいだけど……?」
「?妖怪になるんだろ?」
「ならないけど……?セーラー葬をしてもらうのが僕の夢だからね」
……
…………
……………………
数秒間の沈黙が流れた。
そして
「セーラー葬なんてさせねぇからな!!!!!」
道満の大声が空に響き渡った。