暮らすドメスティックガイズTrack4に寄せて「お前さん、ルークのアルバム本当に気に入ってるねぇ」
ルークの家に滞在し始めて十日、チェズレイがリビングのソファでアルバムをめくる姿はすっかり見慣れたものだった。
「リトルボスのスイートなお姿を目に焼き付けておこうと思いまして。モクマさんもご覧になります?」
「俺はいいや。ルークの思い出聴きながら見るのは楽しかったけどね」
ルークが作り置いてくれているコーヒーを淹れてチェズレイの隣にかける。大将がバカンスモードなので予定もなく、家主の出勤を見送った後にやることは決まっていなかった。
「しかし奴さんも往生際悪いよねぇ。感情なんてもん、ぜーんぶそこに写っちゃってるじゃない」
隣を見ながら呟くと気に入りの写真をなぞるチェズレイの指が不自然に止まった。
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