夏のおはなし照りつける太陽が、空いっぱいに夏の光を撒き散らしている。雲は遠くにいくつか浮かぶだけで、空はどこまでも青く澄んでいた。
本日は快晴。絶好の海水浴日和である。
「また来たぜー‼︎うーみー」
「今日は遊びに来たんじゃねーだろ」
「えー。先輩たちが自由時間は好きにしろって言ってたぞ」
ビーチに到着したのは
桜遥が級長を務める風鈴高校1年1組の生徒たち。
桜にとっては今年三度目の海だったが、今回は遊びが目的ではない。
東風商店街の企画で海の家を出す事になり、梅宮が人手は多い方が良いいだろうと呟いた事から話が広がって少なからずの生徒がボランティアとして集まったのだ。
杉下はもちろん、ほぼ強制参加を余儀なくされた級長の桜、その副級長たる楡井と蘇枋は大概セットで、暑いだの汗で気持ち悪いだの文句を言いつつ参加する桐生。
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