10戦目★眠れぬうさぎの寝かしつけ――ねぇ、知ってるかい?こころのSOSって、自分以外の人にしか見えないんだよ。
青葉の香りを乗せた新風がピンク色の花冠をそよがせる。
「わぁ、ありがとうスナフキン!」
「役に立てたなら良かった。じゃあ僕は街の方へ降りてくるよ。おみやげ、期待してても良いよ?」
「スナフキンのおみやげはいつも見た事のないものばかりだから楽しみだわ!」
「もしかしてあのキラキラのケーキ?」
「ふふ、さぁ、どうだろうね?」
都会的なこのムーミン谷のスナフキンであるピクはフランクな笑みを浮かべ軽い足取りでムーミン達の元から去っていった。
「良かったわね、ムーミン。スナフキンがここを通らなかったら大変な事になってたわ」
「ぼくたちが知らない事なんでも知ってるし、どんな事もでも助けてくれるし、見た事のない形の車だって乗れちゃうなんて、やっぱりスナフキンはすごいや!」
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