4.変わらぬ間柄地脈異常
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何時もと変わらず二手に分かれて、街に災いをもたらさんとする妖魔達を屠っていく。
その日、魈は萩花洲を、蠱毒は奥蔵山を中心として己の持ち場としていた。何時もならすんなりと終わるものだったが、この日は地脈の異常が妖魔たちの動きを活発にしており、難攻を極めていた。
時は夕餉の時間を過ぎ、赤から紺色の帷が降りてくるころ。不穏な気配を感じて、魈はその発生源の近くへ到着した。
望舒旅館の屋根上から、気配を探る。そう離れていない場所で、[[rb:闘う > あらそう]]音と複数の人影を見つけた。
相手は獣域ハウンド数体。その姿はアビスの毒を彷彿とさせる禍々しいオーラを纏っており、巨大な犬に酷似しいている魔獣だ。
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