📦🧂ポケモンパロ 途中まで 目が覚めると全く知らない場所にいた。木々に囲まれた場所。ここは森だろうか。はぁ、とため息をつく。また夢遊病が発症してしまったらしい。……が、何か変だ。そもそもここは本当にロスサントスなのだろうか。空気が異様に禍々しい。なによりも空の色もおかしい。赤紫色だ。ロスサントスでも世界統合の影響で空の色がおかしい日があった。しかしそのような話は特に何も聞いていない。
とりあえず自分の家に帰るために地図を見ようとスマホロトムの電源ボタンを押す。しかし、一向に画面は真っ暗なままだ。何度押して結果は変わらない。
「故障しましたかね……?」
と、独り言をつぶやく。こんな時に限って、ツイてない。どうしようか。このままでは病院の方向が分からない。せめてこの森を抜けたい。そうすれば、なにか目印になる建物があるかもしれない。そう思って歩き出す。いっちもさっちも分からないが、ジッとしているのは性にあわない。
「キュウコン!」
わたくしの相棒であるアローラキュウコンが、プレミアボールから出てくる。アローラ地方特有の、白い毛が風に吹かれて靡く。そして、警戒態勢に入る。
「キュウコン……貴方がここまで警戒するということは、やはりここはロスサントスではない、異世界なのか……?」
キュウコンは急にわたくしの方に振り返ったと思ったら、なにかを察知したのか、わたくしの右ポケットをじっと見て頭を擦り付ける。すると、なにかが入っていることに気づく。取り出してみると、青と紫のグラデーションに水色の網模様をしたものだった。
「何でしょう、これ。モンスターボール……なのか……?」
ただのモンスターボールも歪んでしまったのか、見たこともないようなデザインになっている。しかし、これを発見したとしても、やはりこの状況を打破するようなものではなかった。
「うーん、とりあえず真っ直ぐ森を突き抜けて行きましょうか。キュウコン、何がいるか分からないから、警戒は怠らないで」
わたくしがそう言うとキュウコンは返事をするように鳴いた。