尿道責めしないと出られない部屋の冒頭 目を開けると知らない場所にいた。
真っ白い壁紙の部屋に真っ白いドアが二つ。広さは八畳ほどだろうか。窓すらない殺風景な壁にはエアコンが一台ついていて、涼しい風を吐き出すと同時に小さく無機質な音が聞こえる。俺が座っているのはふかふかの大きなベッドの上であとはウォーターサーバーと冷蔵庫、ドアの上の電光掲示板が目視で確認できる。パッと見た感じ人が住むにはあまりにも簡素、というか色んなものが少しずつ足りないような部屋。そして剛翼を持ってしても外からの音が一切聞こえないという異質さに緊張が走り息を飲む。
「おい」
どうにか外の音を拾おうと集中していたから、突然真隣から飛び出してきた聞き覚えのある声に心臓が大きく跳ねた。
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