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    月華さん

    @1115_lune

    基本見る専。
    えっちな内容とかをあげる。

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    月華さん

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    昔呟いた🦇体調不良ネタを小説にしてみました。
    体調不良でぶっ倒れた🦇を看病する🐺さんのお話です。
    初心者故、かなり駄文です。
    体調不良により🦇がかなり弱っています、解釈違い等大丈夫な方のみよろしくお願いします。

    #lycahugo
    #ライヒュ

    引き止める、その手の温もり「...っ」

    身体が重い。
    窓からは外の光が差し込んでいる時間だと言うのに身体は未だベッドの上で横たわっていて、自分の意思に従わないかのように重くなっていた。
    この状況をよく知っている。
    今日の予定は特に無いが少なくともやるべきタスクはあると言うのに、身体は熱を帯びて頭の回転を鈍らせていた。

    ビビアンは?

    今の相棒を脳裏に思い浮かべ、情けない姿を見せることになるが、少なくともこの状況がマシになるだろうと思ったところである事を思い出す。

    彼女は朝早くからバイトがあるのだった。

    彼女には頼れない、とわかってはため息が漏れる。ずっとこうしては居られない、と思った俺は身体を起こしてはベッドから地に足を着いて立ち上がり歩き出そうとした瞬間。
    視界がぐにゃあっと歪み、まるで世界が斜めに傾いたかの様に身体が地面へと倒れる。

    「ぅぐ...っ!」

    小さな呻き声が部屋に響く。
    頭が硬いもので何度も打ち込まれたかのように痛みだし、視界もまだ歪になっていて思わず吐き気が込み上げてくる。
    あ、もうダメだ───
    と思った時には目の前が真っ暗になった。

    「───ん」

    目を覚ますとベッドの上にいた。
    おかしい、俺はベッドから出ようとしてそれから...

    「目が覚めたか」
    「ライ、カン」

    声がした方を見ると椅子に座って本を読んでいた、白銀の毛並みを持つオオカミのシリオンの男──ライカンがいた。

    「...何故、貴様がここに居る」
    「お前が急に連絡してきた上に返しても返事がなかったからだ、それと──体調はどうだ?」

    連絡?と思い持っていた携帯を見ると確かに連絡が来ていた、それに身に覚えのない電話を掛けた履歴も。
    まだ身体の倦怠感はあるが、少なくとも目を覚ます前はかなりマシになっていた。

    「かのヴィクトリア家政の筆頭執事殿の手を煩わせたな。もう身体の方は大丈夫だ、帰って仕事を...っ」
    「ッおい!無理して起きるな、まだ顔色が悪いぞお前...」

    何時ものように皮肉を混ぜた言葉を発しながら起き上がるとまた酷い目眩がした、ライカンは起き上がる俺の身体を軽く抑えてはベッドにゆっくり倒した。

    「薬は?」
    「...ある、そこに」
    「わかった、だが先ずは何か口にしろ。何も食べていないだろその調子だと」
    「...フン」

    そう言ってライカンは部屋を離れた。
    おそらく食事を作りに行っただろうが、この調子の時に一人部屋に残されると少し胸が苦しくなる。
    アイツが帰ってくるまでは少し目を瞑り、この身を休ませることにした。
    その間に夢を見た、今と同じように昔も酷く風邪を拗らせた時があった。
    ライカンが部屋を離れようとする、あの時のようにもう二度と戻ってこないような気がして慌てた俺は咄嗟にライカンへと手を伸ばした。
    すると手が空を切った、同時に目を醒ましたのかベットの上で先程のは夢だとわかって少し安心した。

    「夢を、見ていたのか?」
    「…ああ、昔の夢だった」
    「随分と魘されていたな」
    「ッチ…うるさいぞ、それより作ってきたのか?」
    「ああ、食べやすいように流動食にした」
    「ああ…すまない」

    渡された食事を口にする。
    コイツの食事を口にするのは久々だったのか、昔と比べてだいぶ上達していた。
    だが今も昔も変わらず温かい、あの家を飛び出す前は人からの食事を口にするのはとても恐ろしかった。
    いつの間にか毒を盛られても可笑しくはなかった、それは家を飛び出した後も暫くは警戒を解くのに時間がかかった。
    その間、ライカンは薬の準備をしていた。
    俺が前に指を指したベット横にあるナイトテーブルの上の引き出しを開けて、沢山ある薬にギョッとしていたが医療の知識があったのか1発で必要な薬を当てた。

    「食べ終わったら飲め」
    「…薬の類は効かないと思うぞ」
    「そんなの分からないだろ?いいから飲め」
    「チッ…」
    「寝汗も凄いな、少し待っていろ」
    「その必要はない、シャワーを浴びてくる」
    「ダメだ、今のお前は兎に角動くな…オレが拭くから」
    「は?何故そんなことまで貴様に任せなければならないんだ、少し動くだけだ…ッ?!」
    「ヒューゴッ!」

    ライカンの『飲め』と言わんばかりの視線に押し負けて言われた通り薬を渋々と飲んで、シャワーを浴びに自らベッドを離れようとすると、また目眩に襲われた。
    部屋にガタン、と音が響いた。ライカンが側に居たおかげか、俺の身体はまた床に強く打ち付けられることはなくライカンの腕の中に包まれていたが俺を支えるために尻もちをついた。

    「す、すまな…」
    「悪いと思うなら今は無理するな…まだ熱もあるんだ、とにかくベットで休め…いいな?」
    「…」

    コクリ、と頷く俺をみてライカンは俺の膝裏に腕を通しもう片方は背から脇下辺りを通してグン、と持ち上げた。
    こんなのまるで御伽話の姫がされるようで恥ずかしさの余り、暴れて抵抗しようとするが俺にそんな体力はなく、諦めてライカンに身を任せた。
    ベットに戻された後、ライカンは約束どおり部屋を離れ、湯の入ったボウルとタオル、新しいシャツを持って戻ってきた。
    「少し服を脱がすぞ」とライカンの問いに「好きにするがいい」と返しては、されるがままにシャツのボタンは一つ一つ丁寧に外されて脱がされた。
    熱によって魘されていたことから上半身は寝汗で酷かった。
    ライカンはグローブを外し、タオルを湯で濡らし絞った後汗を拭き取る。
    シャツを脱いだ時は部屋が少し寒いと思っていたが、タオルのお陰か暖かく感じる。
    次に背中だ、下ろした後ろ髪を掬って肩から前へと流した。
    人に…特に宿敵であるコイツに身体の汗を拭かれるなんてなんたる屈辱的だ…、と思いながら無心で時間が過ぎるのをただ待っていた。顔が少し熱くなるが熱のせいだと思い、またライカンもそう思ってくれと願った。

    「終わったぞ」
    「ああ…」
    「顔が赤いな、薬は飲んだからこれから回復するだろう。後は寝てゆっくり休め…ビビアン様にはオレから連絡しておく」
    「お前は、どうするんだ…」
    「?仕事に戻るが…」
    「ハッ…随分と暇なんだなヴィクトリア家政は」
    「わざわざ同僚に頼んで仕事の合間に来たんだぞこっちは…じゃあオレは戻るから…?」

    ライカンが離れようとした時、手が勝手に動いていた。
    俺の手はライカンの服の端を摘んでは、帰ることを阻止していた。
    一瞬否定しようとしたが、熱でやられた頭は口に否定する指示を出さずにただ赤く熱くなるだけの顔を必死に背けることで精一杯だった。
    心臓が高く鼓動する、顔が熱く思考が蕩けてしまいそうだ、自分の体のことは重々承知しているからおそらく耳の先まで赤くなっているだろう。早く、早くこの手を振り解いてどっかへ行ってくれと思う自分が居れば、此の儘側に居てくれと願う自分がいる。
    ふと手が握られた。

    「はぁ...わかったよ」
    「なっ...い、今のは忘れろ...っ!」
    「そう慌てて否定するな...仕事は同僚に任せる、そばに居るから...このまま安心して寝ろ」
    「...すまない」

    ライカンはベットのすぐ近くに対し横向きに椅子を置いて座ると、よく手入れされた自慢の尻尾を俺の手元に置いて、ずっと手を握っていた。

    ライカンの言葉に甘えて、手を握り差し出された尻尾も抱き枕のように優しく包んだ。
    その温もりに次第に眠気を誘い瞼が重くなって、俺は眠った。



    どうやらやっと安心して眠ったようだ。
    時間を少し巻き戻しましょう、午前中ヴィクトリア家政の仕事をしていた時でした。
    携帯が震えだし、取り出すと着信していたようで宛先はあのヒューゴからでした。
    基本彼から連絡することはあまり無いから、珍しいと思ったオレ...失礼、私は電話に出ることを選びました。

    「?...少し失礼、ヒューゴ?」
    「...」
    「おい...今からそっちに行く。リナ、少し席を外します」
    「分かりましたわライカンさん、行ってらっしゃい」

    仕事中彼から電話が来たと思ったら何も返答がなく、嫌な予感を感じましたので慌ててアジトに向かったがどうやら予感は的中していました。

    「ッ!ヒューゴ!」
    「ゔ...うぅ...」
    「ヒューゴ、おいしっかりし...ッ!?酷い熱だ...」

    ヒューゴは自室のカーペットの横たわっていて、身体を少し起こすと顔色は酷く青白くどうやら酷い熱に侵されている様でした。
    倒れている間に戻してしまったのか、カーペットの一部と口から吐いた痕跡がありました。
    幸い服は汚れていなかったので、私はゆっくりと横に抱えてベットで寝かせてからカーペットの掃除を済ませました。

    それからは皆さんがご存知の通りです。
    私はリナ達にチャットで「申し訳ありません、知人が酷く風邪を拗らせて頼れる相手が私しかいない様で、午後の仕事は休みを取らせて頂きます」と送りました。
    幸い彼女たちは承諾してくれましたが、部下のエレンは「あの例の彼氏?お大事にって言っておいて〜」と返事が来て、思わず咳払いをしてしまいました。

    今彼は私の尻尾を抱き枕代わりにして、手を握ってはぐっすりと眠っています。
    そんな彼の姿を見て私...オレは思わず笑みがこぼれた。
    「ふっ...まるで昔のようだな」
    昔を思い出しながら彼が起きるまでずっと傍で手を握っていた。
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