ファーストライフに花束をSIDE リリィ
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世界がぼんやりと白い。
重い瞼を持上げると、見慣れた天井が朝の光に柔らかく照らされている。
また、朝が来てしまった。
あたしはベッドに寝転んだまま腕で顔を覆った。
夜眠りにつく時に、どうか朝が来ませんように、と思うようになったのはいつからだろう。
この広くはない建物の中にずっと引きこもって毎日を無意味に過ごしているあたしには、もう朝も夜も関係がないのだけれど。
それでも朝日を見ると憂鬱になる。
ああ、あたしはまた、ただ息をするだけの一日を過ごしてしまったのだ。
こんな甘えた自己憐憫に浸る自分なんて、一年前は想像もしなかった。
静かな足音が階段を登ってこちらに近づいてくる。
13220