続・社畜審神者と近侍の長谷部電車が参ります。
ホームドアよりお下がりください。
電車が止まる。
電車と乗り場の間のホームドアが開く。人が流れ出し、吸い込まれる。閉じる。電車が動く。俺はホームに立っている。1歩、2歩と踏み出しても、線路に落ちることはできない。つま先がこつんと硬いドアに当たるだけだ。
お下がりください、とアナウンスが俺を咎める。
一、二歩下がって次を待つ。
電車が参ります。ホームドアよりお下がりください。
電車が止まる。最終電車です、お乗り遅れのないように、とアナウンスが急かす。
ドアの前で佇む俺に、最終電車です、と駅員も急かす。酔っ払いやくたびれた同類と共に、電車に乗った。
空いた席に深く腰掛けると、もう立ち上がれない気がしてくる。明日も会社に行きたくないな、と思うのに、頭は勝手に帰宅と始発時間から睡眠時間を計算している。
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