青天白日「霊基というやつ自体に損傷は無い。形が異なるだけで中身は同じ、と言えばわかるか?異常しか無いが戦闘には問題無いぞ」
しれっとそんな事を言われたが、藤丸は出来る限りインドラとアルジュナ・オルタを会敵の少なそうな配置にしてこの特異点を回っていた。それでも限界はあるもので、雨に降られていた一行は視界の悪さや足元の泥濘等苦戦しながら戦闘していた。
大型のエネミーを倒した後に出現した数えきれない程のエネミー達は、一体一体はそれほど手こずる相手では無い。数が多すぎて皆息切れし始めた頃、見てられん、と手を掲げたのがインドラだった。
「出力がわからんな……アルジュナ、マスター殿の耳と目を塞いでいろ。直ぐ終わらせる」
「泥に足を?」
「後で洗ってくれるんだろう?」
神々の間にそのような会話があって、藤丸はアルジュナ・オルタに抱え込まれた。音と光が遮られたので何が起きたのかはわからない。ただ聞こえずとも大地が震える程の何かがあった事はわかった。
「よろしいですよ」
アルジュナ・オルタから解放されると、周囲に敵エネミーの姿は無く、ぽかんとした様子の――耳と目をやられている様子のサーヴァント達の姿があり、空の雨雲は散り散りになっていて、大地に穿ったような跡がちらほらと見つけられた。
次からは、前衛!
藤丸はよしと頷いてぽかんとしたままのサーヴァント達を起して回った。拠点に戻った頃にはインドラは綺麗な足をしていて、アルジュナ・オルタの腕の中で遅かったなと出迎えてくれたのだった。