山羊のうた「パパだよー……?」
「……?」
ほら見ろ駄目だったあ!何やら騒いでいるが、それはインドラの警戒を解くものでは無い。
気付いたら妙な場所にいた。人間が多くいて、人間でない者も多くあり、そして地上よりも天に近い。目覚めて、どうすれば良いかわからずにいて、その内に何か恐ろしいようなモノが、インドラの血を流す者と共に現れた。インドラは子を作った事が無いので、であればそれはインドラの父母に連なる者なのだろう。父の気配に動揺した所を人間の形を持つ何かと相対し、気付けば気を失っていたらしい。清潔な白い寝台の上でまた目覚めた。それからは医師の指示に従っている。
パパを自称する男が何者かはわからないけれど、自分の父は――。
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