くそくだらない話左庭五郎、鴨田勇義、仁井靖。この三人は他の科学者と比べて優秀であり、特に左庭五郎に関しては世界を驚かせる研究をしている。そんな彼らは癖のある性格として所内ではやや難儀な人物として扱われている。
これはその三人の何気ないの話。
ある日の朝、左庭と仁井が所内のテラス前にて話していた。朝のテラスは逆に人通りが少なく、二人が話していても問題はなかった。
「おはようございます」
「おはよん♪また残業しててえらいね〜」
「昨日の分では少し進捗が悪かったので」
「また所長に怒られるんじゃないの?」
「もう叱られました」
あはは!と仁井が笑い、左庭は何故笑っているのかわからずにいた。左庭には笑わせるつもりがない内容を言ったはずだったのだ。数年このような会話をしているのだが、相変わらず慣れないようだ。
「おや、二人ともおはよう」
彼らの後ろから爽やかな挨拶をする声の主は鴨田だった。
「おはようございます」
「いさぎん、おはよ〜。最近少し遅めだねぇ、どうかしたの?」
鴨田はドキリとした様子で目を大きくした。彼が最近遅い理由は朝起きるのが普段の倍ほど辛いからであり、騎士であり、主人公を目指す彼の中でそれは理由として言いたくない方の部類であった。しかし、素直に言わないというのも彼にとっては癪に触る事だった。同期である左庭と仁井にはいくらか打ち明けてる事もあるため、鴨田は目を逸らして小声で「最近、朝が辛くてね...」と言った。
「鴨田さん、以前の野外研究の時も朝もよく眠っていましたよね。よく眠られるのは良い事だと思いますよ」
「よく寝てるというか、いさぎんは朝嫌いっぽいよね〜」
「こら!あまり大声で言わない!」
鴨田はシーっの合図で二人の口を静止させる。二人は何故黙るように言われたのかわからなかった。こういうところである。
「この事は秘密だよ」
「わかりました」
「は〜い」
しばらく談笑した後、それぞれの助手達に呼ばれ研究室に戻った三人。それぞれの夢は違えど、同期として出会った三人がどのような未来になるのかはまだ誰も知らない。