👗久しぶりに休みが合う休日、久しぶりにマヨイが家に来てデートをするという予定が前々からあった。にもかかわらず大寝坊してしまった。目が覚めると彼が家に来る2時間前。寝汗でベタベタとしているのをスッキリさせたいしメイクも髪もセットしたい。部屋だって綺麗にして出迎えたい。
寝起きで未だ正常に動かない頭をできる限り働かせて
バタバタと家の中を走り回るナマエをよそにピンポーンと少し気の抜けたチャイムが鳴る。
「う、うそもうそんな時間……!?」
軽く髪を巻き椅子にかけていたパーカーを羽織って玄関に向かう。
「マヨイくん!ひさしぶり!」
「ナマエさ、……あ、あのぅ、私に言われるのも嫌かと思うのですが薄着すぎませんかぁ……心配になってしまいますぅ……」
ガチャっとドアを開け彼を出迎えると一瞬嬉しそうな顔をした後、もごもごと顔を赤くしながらナマエの服装に苦言を呈した。服まで選んで着替える時間が無く、カップ付きのキャミソールの上から大きめのパーカーを羽織り、下は部屋着の短パンだった。部屋着だからいいでしょうと軽く受け流し、彼を家の中に招き入れる。
「ほんとにごめん今日寝坊しちゃってさぁ……」
「いえいえ!お気になさらず!相変わらずお部屋綺麗にされてるんですねぇ」
アイロンだけ片付けようと急いで洗面台に戻り、熱を持ってないのを確認してコードをまとめて所定の場所に戻す。リビングに戻ると今朝私が脱ぎ散らかしたままのパジャマを拾い上げてくれていた。
畳んでくれるのだろうか?そのまま洗濯する予定だったのもあって畳まなくていいと声をかけようとした矢先、彼が私のパジャマに顔を埋めているのを見てしまった。
「な、なにしてるの!?寝汗で臭い!?」
「?いえ、ナマエさんの匂いをかいでいただけですが…」
「いや、あの、ばか!へんたい!」
彼が大事そうに抱えていたパジャマを強奪し洗濯機に投げ入れそのまま洗濯開始のボタンを押す。今までも変態の片鱗は出ていたが最近になって隠さなくなってきているように感じる。
信頼されているようで嬉しい反面、そのうち自分自身の服も何着かいつの間にか消えているのではと怖くなってしまった。