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    JC_mckt

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    JC_mckt

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    お砂糖きめて帰ってきた🦾君をよしよししつついちゃこらする📺君なマクカト

    シュガーホリック今日は珍しくカートだけが任務の日で。
    というか急遽仕事になった。
    なんともその仕事をするはずだった奴は蒸発してしまったらしい。文字通りに。
    一緒に行こうかと言ったけど、大した内容じゃなさそうだからと振られてしまった。
    というわけで1人寂しくゲーム攻略に勤しんでいた。
    のだが、ボス戦で行き詰まる。
    やっぱりここはソロクリアはキツいなぁと思うと同時にカートの顔を思い出す。
    そろそろ帰ってきてもいい時間だ。
    今日は久しぶりの休みだったしイチャイチャしたかったけど、疲れて帰ってくるだろうし労わるで留まろう。
    少し残念な気持ちを抱きつつ、もう一回くらいボス戦挑むか、とゲーム機を手に取った時だった。
    玄関が開く音がした。
    「おかえりぃ」といいながらボスエリアに入る。
    返事はないがまあよくある事だ。
    シャワー直行かな、このボス戦10分も保たないだろうから終わったら夜ご飯用意でもしとくかな、なんて考えていたら、足音は近づいてきて──ずしんと全身が重くなった。

    「うぉっ!?」
    「あ、はは、た、だいま、マックス」

    いつもよりも少し上擦った声。
    仄かに香る甘い香り。
    少し振り返ると、これまたいつもより上機嫌な恋人ことカートが顔を綻ばせていた。
    きっと普通のカップルなら、恋人がえらい可愛い帰宅をしたなと思うのだろうけれど。

    「……お砂糖キメてる?」
    「ん、ふふ、あは、どーだろ?」
    「いやぁどう見てもキメてるでしょ」

    生憎俺らの場合はそうじゃない。
    こういう時のカートは砂糖をキメている。
    それにしても久しぶりだな。最近はあんまりやらなくなっていたんだけど。
    カートがずりずりと乗っかろうとしてきたので、体を捩って仰向けにする。
    顔をよく見たいから。
    ……この体勢、前に見た映画の構図に似てるな。タイトルなんだっけ、まっくろくろすけ出てくるの。

    「今日ハードだった?」
    「んー?んーん」
    「あ、もしかしてバディ組む感じの仕事だった?相手だれ──」
    「…マックス」
    「うん?」
    「シたい」

    滅多にないカートからのお誘いで思わず天を仰ぐ。
    本当にレアだ。SSRだ。
    正直今のこのふわふわ状態のカートもはちゃめちゃに可愛いので今すぐ押し倒したい。
    が──。

    「熱いお誘い嬉しいけど。…俺、泣いてる子には手ぇ出さない主義なんだよね」
    「………は?」

    あぁこの顔は、自覚がなかったのか。
    俺が振り返った時にはもう泣いていた。
    一瞬お砂糖切れによるバッドに入ったのかと思ったけどそれとは違う気がして様子を見ていた。 

    「……ぅ、ま、まって。…ぁ、なん、で…っ」
    「なんでかなぁ」

    体を起こし、カートの頬に手を伸ばす。
    涙を拭いながらむにむにと顔を揉む。
    すると泣き止むどころか寧ろ大粒の涙が溢れ出てきた。
    まんまるな新緑の瞳。それが涙で潤んでて。溶けちゃいそうだなぁなんて思ってしまう。

    「……っ、くそ、ぅ、な、泣き止む、泣き止むから…」
    「んー…多分すぐは無理じゃない?」

    なんで涙が出るのか、理由がわからないと。
    そう言うと、カートはオロオロと目を泳がせる。
    カート、無表情で何考えてるかわからないって言われるけど、結構表情コロコロ変わる子だと思うんだよな。

    「………ぁ、金、払えば、いい?」
    「バッ…!ちが…っ、はー……お金欲しくて断ったわけじゃないよ」

    まさか金を払うなんて言ってくると思わなくて。思わずバカと言いかけてしまった。
    でもこんな状態のカートには少し酷な対応をしたかもしれない。
    カートの頬を堪能していた手を後頭部の方に伸ばし、そのまま抱き寄せる。
    そして背中をトントンと、小さな子をあやすように優しく叩く。
    体が、微かに震えている。

    「今日の仕事…なんだっけ。殺しだったよね。女の子の」
    「うん」
    「ちっちゃい子だった?」
    「俺らより年上」
    「あらお姉さん」
    「でも」
    「うん」
    「最後。死ぬ前。助けてお兄ちゃんって」
    「………うん」
    「全然、似てなかった。妹と。歳も、見た目も、違った、のに」
    「うん」
    「妹の、事、思い、出しちゃって。気づいた、ら…」
    「うん、うん、もう大丈夫。…大丈夫だよカート…」

    納得した。
    まあこれは、確かに。キメちゃうかも。
    俺は基本的に仕事は断らない。
    カートもそう。だけど、自分より下の女の子の仕事は気乗りしていなかった。というかその後は絶対砂糖を摂取していた。
    それを、社長も見抜いてたんだと思う。
    だからいつからか、そういう仕事は回ってこなくなっていた。
    変なところ優しいなと思うけど、一々使い物にならなくなる位なら他の仕事回そうっていう効率を最優先にした可能性もまあまあある。
    ……やっぱ優しくないかもしれない。

    そもそも、カートの砂糖依存は、本人の意思によるものじゃないし。
    ──昔、カートが所属していた陸軍は、栄養剤と称して砂糖を摂取させていたらしい。

    知り合った頃に比べると、大分量は減ってはいる。
    今日も、匂い的に摂取量はそんなに多くない…はず。
    本人なりに頑張ってる。
    ……そう考えるとさっきの俺は、本当に意地悪だったかもしれない。

    胸に埋めさせていたカートの顔を覗き込むと目があった。
    まだ目は潤んではいるけど、泣き止みはしたようだ。
    目が真っ赤だ。昔図鑑で見た"ウサギ"を思い出す。
    可愛いなぁ。全部書き換えたくなる。

    「ね、カート」
    「…ん」
    「えっちしよっか」
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